(坂巻あきむ/芳文社まんがタイムコミックス・全2巻)
桃里ゆずはヒカル先生が大好きな中2女子。
おしゃれな藤林ことり、ヒカル先生の妹でマジメな水嶋ハルカに応援されながら、先生とのゴールを目指す。
……が、ゆずの恋は妄想ばかりで空回り。さらには百合子先生というライヴァルも現れて……
まっすぐできらきらした中2女子の日常(!?)を描いた、キュートな学園四コマ。
タイトルに偽りなしッ!
猪突猛進・恋する乙女なゆずちゃんに、欲望に忠実なデコの匠・ことりちゃん、黒髪のクールなツッコミ役・ハルカちゃん、三人娘の元気でおバカなガールズトークが楽しくて、にやにやが止まらなくなる四コマです。
加えて楽しいのは、ハルカちゃんの兄で、ゆずちゃんの想い人・ヒカル先生のいじられキャラっぷり。
学園ものらしい楽しいムードと、テンポのいいガールズトークが相乗効果で、中学時代のうきうきした空気がこれでもかッ! とばかりに画面から放出されているんですよね〜。
中2娘が3人集まってなんとやら。賑やかさが画面から伝わってくる、読んでいて気持ちの弾む四コマです。
本編のヒロインが、桃里ゆずちゃん、中2女子。
裁縫が得意で、料理も出来る家庭的な女のコなんですが、ヒカル先生のことになると羞恥心をかなぐり捨て、猪突猛進の大暴走。結果としてプラス要素をマイナス要素が大幅に凌駕し、かな〜り残念なコになっちゃってるんですよね〜。
しかしその、恋する乙女パワーこそが、恐れを知らぬ驀進っぷりが、ゆずちゃんの最大の魅力。
ヒカル先生に家庭的に! キュートに! 時にはお色気たっぷりに!(苦笑)モーションをかけながら、子供扱いされて、まったく相手にされていない、そのからまわりっぷりが微笑ましいんですよね〜。
ほら、言うでしょ。「バカな子ほどかわいい」って。
中2少女らしい、無垢すぎる純情が微笑ましくて、見ているだけで頬が緩んでしまう、そんな女のコです。
ゆずちゃんに負けず劣らずの存在感を示しているのが、もうひとりのハイテンション娘・藤林ことりちゃん。
盛り髪がアイデンティティ、デコ電の匠という、いかにも「今どきの女のコ」って感じの女のコですね〜。
よくも悪くも作品の賑やかし役ですが、友達のよさを素直に認められる男らしさを持った女のコ。……うん、まぁ、時折男らしいというより、オッサン臭いかな、と思わないでもないんですけどね。
この作品の良心といえるのが、ゆずちゃんの親友でかつ、ヒカル先生の妹という、微妙なポジションにいる水嶋ハルカちゃん。
黒髪のマジメっコ、暴走気味のゆずちゃんとことりちゃんに対するツッコミ役、というのが役どころなんですが、気を使いすぎて空回りするところがいいネタになっていたりして、そこが実にい〜いんですよね〜♪
そして忘れちゃいけないのが、天然女教師、白河百合子先生。オデコがチャームポイントの天然巨乳女教師。ん〜、実にいいじゃあないですか!
そのナチュラル装備な女子力で、ゆずちゃんの努力を木っ端微塵に砕いてくれる、当作品の最終兵器。
ブルマだったり、旧スク水だったり、へそ出しだったり、次々と繰り出される終末的天然兵器の数々に、思わず目が眩んでしまい、思わず「ビバ天然!」と叫んでしまいます。
芳文社からの刊行ですが、「まんがタイムきらら」レーベルではなく、「まんがタイムジャンボ」からのリリースになっています。
なるほど、そう思って読むと、ハートウォーミング的なオチも多く、「きらら」系よりコンサバな感じがしますね。
基本的なツクリは今はやりの萌え四コマのフォーマットそのもの。ジャケットを見て気になった方なら、安心して楽しめると思います。
2012.6