(ざら/芳文社まんがタイムKRコミックス・全4巻)
キレ味系の学園ハイパーコメディー登場!
遊び心過剰のハイテンション問題児・ふおん、銭ゲバクール優等生・あけるの凸凹コンビに、ゲーム大好きズボラ教師・夕が加わって、学園はいつもトラブルだらけ。
この世界にアクセスした瞬間、学園生活が一気にビビッドに彩られる、新世代学園四コマ。
補習常連トラブルメーカーに萌えるか?
完璧超人ブルジョア次姉に萌えるか?
オール平均値なシスコン末妹に萌えるか?
童顔英語教師兼ズボラ長姉に萌えるか?
いやいやこれはたっぷりとしたテキストと、切れ味のあるネタで笑うべきでしょう!
学園を縦横無尽に駆け回る問題児・ふおんと、学園を、自宅を混沌の渦に巻き込む長姉・夕、そして彼女らを冷静にあしらう次姉・交流が揃えば、補習はサバイバル、捨て猫は車載カメラを搭載し、雨の日の階段は三角ドリフト、お盆に変形ヤサイオー! と、日常の風景が一瞬で意外な結末に繋がる、ワンダーランドへの扉が開くのです。
「そう来たか〜」
と思わず膝を叩きながら笑ってしまうようなネタが満載の本格四コマ。
抜群の読み応えで、お腹一杯になるまで楽しめます。
その名の通り、不穏さ満開の問題児。
赤点常習、遅刻は毎週のダメダメっ子ですが、いくらトラブルを起こしてもこりないバイタリティこそがふおんの持ち味。
勉強をサボることと、現実逃避して遊ぶことに関しては超一流で、悪知恵を駆使しては夕先生を巻き込み、あけるの足を引っ張り、通果の敵愾心を煽って学園を家庭を、混迷の渦に巻き込んで行きます。
実際にこんな女のコがいたら迷惑度1000%なわけですが、そこは四コママンガ。
起承転結の「起」担当キャラとして、切れ味抜群のこの作品の牽引役となっている、愛すべき問題児なのです。
作品タイトルはふおんに譲っていますが、実質彼女と並ぶメインヒロインと言えるのが、三日科交流嬢。みかしな・あける、と読みます。
腰まで伸びた長い黒髪に、モデル体型。傍若無人なほどに成績優秀、料理もこなすし、株式市場でも大暴れ。もちろん当作品のツッコミ役としても抜群の切れ味を誇る完璧超人。
それでいて嫌味なキャラクターになっていないのは、ふおん&夕のダブルだめっ娘コンビとのバランスの良さと、クールに見えて友達想い、家族想いで、冷血に徹しきれない性格の賜物。
笑いはとれずとも存在感の大きいヒロインです。
ちみっちゃ英語教師・英夕(はなぶさ・ゆう)先生は三日科家の長姉。犬耳のようなカチューシャがチャームポイントですね。
部屋はちらかし放題のズボラっぷり、ゲーム中毒なヒキコモリっぷり、教師として、オトナとしてそれで大丈夫か? と言いたくなるようなドジっ娘ぶり、どれもが夕ちゃん先生のチャームポイントであり、親近感ポイント。
頼りなさそうなキャラでありながら、時折とんでもない行動力を発揮するところもチャームポイントですね。
三日科家の末妹・通果(みちか)ちゃんは、ショートカットの地味系キャラ。
キレ系のあける、ハイテな夕、ふたりの個性豊かな義姉の間に埋没しそうになりながら、時折百合っぽい言動で存在感をアピールしたり、あける顔負けのキレのある切り返しでふおんや夕にツッコんだり。なかなかいい味を出している末っ子なのです。
ネタを理解するのに時間がかかるネタや、それなりの知識が要求させるネタが散在する、切れすぎるほど切れるタイプの作品で、読み手を選びますね。
まぁ、ややこしいところはすっ飛ばしつつ、キャラ萌えで楽しんだり、生きのいいかけあいを楽しんだりしても十分楽しめるでしょうが、基本的に四コマ中級者以上向けの作品だと思います。
2007.6