(池山田剛/小学館少コミフラワーコミックス・全7巻)
守山美樹はいつも放課後、サッカー部の練習を見ている女子高生。お目当ては、クラスメートでもあり、サッカー部で一番小柄な相楽ユウキ。「小学生」と綽名されるユウキだが、どんなに体格差がある相手にも負けずに挑む少年なのだ。
しかし、美樹はサッカー部のキャプテンで、人気者の斉木に「つきあってほしい」と告白される。それに対する相楽の言葉は「よかったじゃん」。
その言葉に落ち込んだ美樹だが、彼女がサッカー部の練習を見に行くと・・・
かわいいかわいい美樹ちゃんと、「え? これ、女のコ? それとも男のコ? ・・・どっちでもいいや、萌え〜っ!」と書店の平台で萌族をトリコにしてしまうヒーロー・相楽くんが強烈プリチーな少女系ハイテンションラブコメです。
フツーの女のコと、かわいい男のコのラブコメディでときめく!というだけには収まらず、少コミらしくちょっとHなテイストが仄かに漂っていたりするのが嬉しいポイント。それも、少女誌にありがちな、ムード重視で実用度もなければ笑えもしない、な〜んとも消化不良な「ちょっとH」じゃなくて、お風呂でばったり!とか、更衣室でどっきり!とか、男のコにもわかりやすい、あっけらかんとしたお色気要素なので、読んでてしっかり楽しめるんですよねー。
矢吹、木村の両フェロモン先輩をはじめ、脇役にも賑やかし担当がずらりと揃っていて、とにかく終始賑やか。ストーリーもイージーなので、とにかく美樹ちゃんと相楽に、萌えて、笑って、楽しめます。
あっかるいあっかるいポニテ少女。とーってもかわいい守山美樹ちゃんが本編のヒロインです。
とにかく決まり手は押したおし、寄りたおし、あびせたおし、という感じで相楽への愛が迸っていて、いつでもどこでも相楽を押し倒しちゃうあたりがなんともキュート。
人目を憚らないらぶらぶっぷりも凄まじく、このエネルギーを有効に使えば、明日の地球のために何か出来るんじゃないかと思うほどのらぶらぶパワーを放射していてくれます。
しかし、ただの大胆ムスメかといえばそーでもなく、手が触れたり、相楽の事を思っただけでまっ赤になっちゃう乙女っぷりもこれまたキュート。
うあー、こんなカノジョがほしー、っつーか俺も相楽になりてえぇーっと胸が焦がれてしまう、笑顔1000%ヒロインです。
かわいい男のコは好きですか。好きです。
即答しちまうほどに爆発的な愛らしさ、↑でもいっそのこと美樹ちゃんじゃなくてこいつ紹介したろかと思ってしまった、ぬいぐるみのように超絶かわいいちみっちゃヒーロー、それが相楽ユウキくんです。
おおおー、抱きしめて離したくねえー!と、ありえない世界に一歩踏み出した発言をしてしまいそうになるくらいのベビーフェイスなんですが、その心根はしっかり男のコしてるとこが、またいいですよね。恋には不器用、だけど美樹ちゃんを守るためならどんな障害にも負けない、そんなまっすぐさがかっこいいのです。
ナ〜イスな雰囲気を出しているのがサッカー部のイケメン先輩カルテット。女のコ大好き!な矢吹&木村(でもやらしーだけじゃなく騎士道精神を持ってるのが少女マンガですねー)、サッカー部唯一の良心にしてミスターバズーカ・斉木、いったい何者なんだ遠藤クリストファー・ミハル・ハーイ。それぞれがそれぞれに持ち味を持っていて、この作品をいい感じに濃ゆ〜く味付けしてくれています。
少年マンガを思わせるような、あっけらかんとしたテイストの、ハイテンションラブコメ。確かにストーリー軸は少女マンガしてますが、このノリなら男性でも問題なく楽しめるんじゃないかな、と思います。美樹ちゃんに萌えるか、相楽に萌えるかはお好みで(笑)。
この方向が、巻を追う事に強化されているのも嬉しいポイントですね。
読み込むというよりは、ひたすらにノリとビジュアルを楽しみたい作品です。
2004.6