(重野なおき/竹書房バンブーコミックス・全14巻)
「俺は愛と炎の社会科教師!!」
柏葉高校に赴任して来た東(アズマ)新太郎は、学校と早起きが大好きな24歳の独身教師。
いつも元気なアズマと、彼に思いを寄せるハイテンション劣等生・ウッチー、昼寝が趣味という英国育ちの天然教師・ヨーコ先生の3人を軸に、多彩で個性的な教師・生徒がにぎやかに笑いをお届けするほんわか・さわやか・ハイテンション学園四コマ。
テンションの高さでアズマに負けるわけには行きません。
これより、愛と炎のコミックレビューに突入するぞ!
・・・てなわけで、ハイテンション学園四コマの紹介なのです。なんせこのサイト、四コマの紹介となるとことごとく学園モノなので、「またかよ〜」という声がどこからともなく聞こえてきそうな気もするんですが、そこは気にせずGO。
学園四コマも好きだけど、学園ラブコメも大好きなびぜんやのココロの琴線に響くこのマンガのアピールポイントは、ウッチー→アズマ→ヨーコ先生とつながる、虚しい片思いベクトルが笑いのネタとなってる点。学園ラブコメの美味しいところを取り出し、かつ濃縮してお届けしましたー、みたいな感じがあって、微笑ましくも大爆笑してしまうという、お前一体どっちなんじゃい的笑いを楽しめちゃうのです。
他のキャラにしても、個性的ではあるけれど、ギャグ的な壊れ方をしてないので、ネタで楽しめて、キャラクターで楽しめて、かけあいで楽しめる。そんな感じ。
学園・四コマの間に「ラブコメ」の言葉を挟みたくなるタイプの四コマ作品なのです。
一応この作品のメインは愛と炎の社会科教師・アズマこと東進太郎なんですが、実質的にはアズマ、ウッチー、ヨーコ先生のトリプルメインなんですね(というか私、雑誌で読んでたときはヨーコ先生が主役だと思ってたし)。おお、豪華。
てなわけで、ここでは三人を一挙紹介。
まずはやっぱり内田沙耶佳こと、ウッチー(逆)でしょう。アズマへの思いを隠すことなく、いつも元気溌剌猪突猛進、全開空転玉砕必至。要するにみんなのオモチャ兼トラブルメーカー。彼女の行動はいつも素直でほほえましく、だからこそ笑えちゃうんですね。愛すべき元気系ヒロイン、そんな感じです。
続いては、柏葉高校の眠り姫、山下陽子先生。教師らしからぬ遅刻癖と居眠り癖(学校にパジャマ常備)が生み出す、ほえほえムードが抜群。天然がゆえに柏葉高校をパニックに突き落とす、とってもグーな先生です。
で、アズマ。はっきりいって、ギャグ担当の前二人と違って、マトモなキャラクターなんです。だからツッコミ役なんです。
だけど、コメディ四コマの中で、けっして浮き上がることなく、むしろこの作品のムードを牽引する機関車役になっています。なにせ、愛と炎の社会科教師ですから。もう愛と炎が滾っちゃってますから。早起きだし、テンション高いし、学校と生徒を愛してますから。ヒロインに食われちゃってるかもしれないけど、やっぱり「愛すべきヒーロー」と言えるでしょう。
正統派学園四コマという感じの定番作品。ネタもシンプルで、読みやすい感じの作品です。メインを張れるキャラクターが3人揃っているのも大きく、入りやすい作品ですね。特に時系列を気にするようなところもないので、気に入ったところからぱらぱらめくって気軽に楽しめる、愛すべき軽四コマです。
2002.10