(Quro・あっと/KADOKAWA MFコミックスアライブシリーズ・1巻〜)
料理好きの大学1年生・河合まこは、ランチタイムに旧友の小川しのんと再会を果たす。
迷った末にしのんらが立ち上げたサークル「食文化研究部」への参加を決めたまこだったが、「食文化研究部」とは名ばかり、実はそこはしのんたちが「気合入れてだらだら」するために立ち上げたダミーサークルだった。
戸惑うまこだったが、しかし「食文化研究部」で料理さぜるを得ない状況が出来して……
お気楽な女子大生の日常と、おいしいごはんを活写したアニメ発信の日常系アットホームコメディ。
「恋する小惑星」のQuroさんが、話題のアニメのコミカライズをする! ということで買ってきたこの本。いや〜、期待通りでした。
かわいい女のコ4人組が楽しくご飯を食べる、というだけのシンプルなストーリーで、導入はベリーイージー。それでもちょっと内気で料理好き……というか食いしん坊なまこ、気のいいトラブルメーカー・しのん、この作品の良心ともいえるまとめ役・くれあ、マイペースなつつじ、4人の登場人物のカラーと役割がはっきりしていてセリフ回しにキビキビ感があるので、あっという間に作品世界に没入できちゃうのです。
4人がそれぞれにかわいいのはもちろんのこと、カマンベールカレーピラフだのとろろ定食だの、出てくる食事がいちいちおいしそうで気分が楽しくなるのはもちろん、お腹もしっかり空いちゃいます。
そしてなによりこの作品で秀逸なのが空気感。みんなで集まってごはん食べるだけのことが、こんなにきらきらしてて楽しかったよな〜、大学生ってこんな感じだったよな〜、と思わせる雰囲気があちこちのページから漂って、あふれ出してきちゃうのです。
穏やかで明るいから、何度でも読み返したくなっちゃう。でもってついにはマンガを絵師買いしたはずなのに、アニメまで見ちゃったんですから、このマンガの持つ引力はなかなかに絶大。
うん、これは必須栄養素のような、日々に欠かせないマンガですね。
本編のヒロインが河合まこちゃん。ふんわりした雰囲気の、ちょっと守ってあげたくなるようなタイプの大学1年生です。
お料理することが大好きで、ひとり暮らしでもしっかり料理しているのみならず、大学にも自作のお弁当を持ってったり、稲荷寿司屋さんでバイトしたりまでしてるんですから筋金入りですね〜。お料理が大好きでよく見る動画が料理系ゆるキャラ動画の「モコ太郎」というあたりも筋金入り。一日24時間のうち23時間くらいはお料理のことごはんのことばかり考えてるようなヒロインなのです。ちょっと親近感。
穏やかでご飯がおいしくて、なにより食べている時の満足そうな笑顔がとびっきりにかわいくて、これはまさに理想の彼女。「あー、こんな女のコとおこたで鍋をつつきあう、そんな大学生活送りたかったわー」という気持ちの迸りを抑えられなくなってしまうんですが。しかし、ふだんは物静かでちょっと引っ込み思案なまこちゃんが、ご飯のことになると豹変して積極的になったりストイックになったり眼が据わったりするので若干要注意。いやいや、そのくらいはかわいいチャームポイントとして許せちゃいますよね〜。
彼女が作るご飯はどれもおいしそうで、ぜひ手料理を食べたくなる、それ以上に一緒にご飯を食べて、その幸せそうな笑顔をずっと見ていたくなる、そんなヒロインです。
ここでは食文化研究部のメンバーを大紹介! しちゃいましょう!
まこちゃんの幼なじみにして食文化研究部の部長がおしんここと小川しのんちゃん。リーダーシップがある……というよりは軽挙妄動気味に行動力が旺盛なタイプ。全力でだらだらすることに全力投球、で、食文化研究部長でありながら食関係にはわりと無頓着。それだけにこの作品のいいエンジンであり、いい賑やかし役、愛すべきキャラクターなんですよね〜。
食文化研究部のまとめ役で良心と言えるのが古館くれあちゃん。家業の食堂をいつも手伝っているだけあってしっかり者の常識人。マイペースなメンバーを自然にまとめてくれるお姉さん的というか、実質部長的な存在なのです。
しのんちゃんと別ベクトルでマイペースなのが比嘉つつじちゃん。ひつじのように穏やかな女のコで、趣味のウクレレがチルタイムに調和するムードメーカー。……でありながら、食生活のメインがエナドリという癒し系なんだか不健康なんだかなんとも不思議な存在感をはなつ女のコです。
1巻終盤から新加入はつつじちゃんの高校時代の同級生、星ななちゃん。金髪吊り目の目立つ風貌でありながらひと一倍の人見知りというギャップが魅力のキャラクター。いい意味で表裏があって、人見知りモードと馴れ馴れしいモードの鮮やかな切り替わり方がなんとも面白い(あるいは人によっては身につまされる)、そんな個性的な女のコです。
2026.1