（笹野ちはる／芳文社まんがタイムコミックス・全１巻）
いちごは洋菓子店「コロネット」で一人前のパティシエ目指して修行中。
だけど、佐々木店長の技を盗んで腕を鍛えるより、店長の目を盗んでケーキをつまみ食いすることに夢中で・・・
ぷにっとしてかわいい女のコが魅力的な四コママンガ家・笹野ちはるさんの、ケーキ屋さんを舞台にした四コママンガです。
とにかく作品を支えるのは笑顔がかわいいつまみ食いヒロイン・いちごちゃんの魅力。
店長の前だろうとお客さんの前だろうと構わず、蝶のように舞い蜂のように刺す華麗なつまみ食いテクニックで、まるごとのホールケーキを、オーブンいっぱいのシュー生地を、ショーケースいっぱいのケーキを胃袋に収めてしまう豪快さには、「ありえねー」と言いつつも、くすりと笑わせてくれます。
つまみ食い以外のネタも、ケーキ屋さんに絡んだネタにきっちり絞り込んで、ほのぼのとした毒のないネタのオンパレード。なので、安心してケーキ屋さんの甘ぁ〜い匂いが漂って来そうな雰囲気にひたりながら、くすりと笑うことが出来るのです。
シンプルな苺ショートのよーな、甘くてかわいくてみずみずしい、そんな四コママンガです。
チェックのエプロンがかわいい黒髪のケーキ屋さん。
いちごちゃんに爆萌え〜〜〜〜。です。
信州時代の辛党一途はどこへやら、最近は関西のケーキ屋さんを食べ歩いてたりするワタシですが（ケーキじゃなくウェイトレスさんのコスチュームがめあてだという説が有力ですが）、こんなかわいー店員さんのいるケーキ屋さんなら、毎日通っちゃいますね。毎回毎回のオープニングにはとにかくメロメロ、「うぉっ」むとか「ぐはっ」とか、血や煙やそのたもろもろのものを身体から噴き出しながらノックアウトされちゃいます。
一人前のパティシエになるという夢に近づくためにか、たんに甘党のなせる技か、とにかく毎日つまみ食い三昧。
いや、つまみ食いなどというレベルに収まらず、客の前で、店長の前で、ホールケーキを、オーブンいっぱいのシュー生地を、ショーケースいっぱいのケーキを、またたくまに胃袋に収めてしまう大胆な食欲には感服してしまいます。
いちごちゃんの上司が佐々木店長。当然ながら、いちごちゃんにはツッコミ＆注意を厳しく入れるのですが、いちごちゃんにかかっては暖簾に腕押し、柳に風。ダイエー打線を前にしたマック鈴木のような無力感が漂っていて、そこが愛すべきキャラクターになっています。
どこから読んでも楽しめるタイプの、イージーな四コマですね。
基本的にいちごちゃんのキャラクター頼り、ネタも比較的ワンパタなので、絵柄で気に入った方、四コマ好きな方はどうぞ、という感じでしょうか。
２００４．４