(まつだひかり/MFC・全1巻)
好きな男のコを目の前にすると、隠し切れない想いがあふれ出しそうになって赤面しちゃう、そんな3人の「自爆ちゃん」を描いた短編連作形式の学園ラブコメ。
好きな人に自分の想いを知られたくなくてひた隠しにしているのに、ちょっとしたきっかけで想いが露呈してしまいそうになって赤面しちゃう、そんな3人の「自爆ちゃん」の日常を描いたオムニバス形式のラブコメです。
学園ものらしい日常の何気ない会話の中に、レモンの砂糖漬けを無理やり口の中にねじ込まれたような、あるいは作り方を間違えた酢豚を食わされたような、「くっそあまずっぺ〜〜〜」と虚空に叫びたくなるようなシチュエーションが詰め込まれたうえに、登場する女のコたちは3人が3人そろって、「なんでこれで相手に気持ちがバレねぇんだよっ!」とそこらの郵便ポストに蹴りのひとつやふたつくれてやりたくなるような無防備さ。当然最後は気持ちがバレそうになって、追い詰められて冷や汗たっぷりに自爆する、その一連の様式美がなんとも楽しく、にやにやしながら読んでしまえるんですよね〜。
1エピソードが4ページ、各キャラごとに7エピソードいうヴォリューム。ナカミはすんごく分かりやすいシチュエーションラブコメなのでさくさく読み進められちゃって、うっかり二度も三度も読み返しちゃう、なんともイージーで中毒性が高いところがこの作品のいいところですね〜。
ぶっちゃけ、ページ数やコマ数で値段を割ると「けっこうコスパ悪いな〜」と思わないでもなかったんですが、何度も読み返しちゃって結局元を取っちゃった気がします。
お手軽だけどラブコメオブザラブコメ、という感じでにやにやできるシチュがたっぷり詰まったチョコレートのアソートみたいな一冊。
マンガはやっぱり、かわいくてイージーなのが一番! ですよね♪
まず最初に登場はカヴァーの女のコ、1年生の幼なじみちゃん。
赤いヘアピンがトレードマークで、照れ屋でちょっぴりツンデレ風味の女のコです。家族ぐるみの付き合いで、好きな人の妹や母親にツッこまれからかわれいいようにあしらわれているところがなんとも微笑ましいですね〜。家族ぐるみだったり思い出話だったり、幼なじみならではのエピソードがてんこ盛りなのも美味しいポイントですね。
2年生の同級生ちゃんは黒髪に黒縁メガネの、ちょっと大人しい感じの女のコ。……と見せかけて、無意識にうっかりゼロ距離に突っ込んできちゃう無防備さがなんとも魅力です。
自爆ちゃんの中でも一番相手に気持ちがバレバレな感じがするんですけどね〜。なんでバレないんだろ。不思議だ。
最後のご紹介は先輩ちゃん。軽音部の3年生で、割とちゃんと好きな人にアピールしているんだけれど、ぐいぐい来るんだけれど、肝心のところでヘタレるなんとも愛すべき自爆ちゃんです。
年下の相手をからかっているようで、結局うまくあしらわれているあたりがやっぱりヘタレ。大人の余裕を見せようとしているつもりがその実全然さっぱりで、結局空振って自爆するあたりがなんとも情けなくも愛らしいキャラクターですね。
ぶっちゃけナカミは薄いです。
もともとページが少ないうえに、カットだけのページも頻繁に挟まれていて、ページ単価で語ると厳しいものがありますね。
出来れば一度試し読みが出来ればベター。絵柄とシチュエーションで楽しめる方なら、ヴォリュームが薄くてお手軽な分、何度もぱらぱらとめくり返して楽しめると思います。
2020.7