せんせいになれません

(小坂俊史/竹書房バンブーコミックス・1〜10巻)

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Story

徹底的に手抜きを追求する河田、気の短い池田、モグリの養護教員・和泉、家事能力ゼロの家庭科教師・沢口、4人の新米教師が小学校を舞台に大暴れする四コママンガ。
ひねりの効いたネタとアップテンポなセリフまわしで展開する、エレメンタリースクール・フルスロットル・コメディ!

Impression

遅刻は当たり前、手抜きは片っ端から、授業はまさに異種格闘技。
小学校を舞台にした破天荒教師たちの活躍が楽しい作品ですね。
誰もが通り過ぎた小学生時代にワンアイディアつけるだけでこんなにしっちゃかめっちゃかするのか!という感じで、とにかくひとつひとつのネタが楽しく、ページを開くとそのままずるずると読みふけってしまいます。
どのキャラクターもどこか「度を越してる」というか「一本切れてる」感じで、「ああ、あるある、こんなこと」という領域から「んなわけあるかー!」の領域に半歩踏み外した感じの、絶妙のテンションが○。納得と引きつり笑いの交差する、「ネタで読める」傑作四コマです。

Nanako Izumi

髪が白い!服が白い!瞳が白い!
白ずくめな保健室の先生、和泉先生です。
沢口先生はそう言われないのに、23歳独身娘とか書かれてるし、ま、当作品唯一のかわいい系キャラということで。
ノイローゼで保健室に入り浸っているうちに白衣を着ていついてしまったという杜撰なキャラだけに、その治療法も杜撰!傷薬と風邪薬しか使えない!それも使い方分かってない!というその破天荒ぶりがぐぐっと来ますね(どこに?)。
とにかく無茶苦茶な言動で、作品のテンションをひたすら上げる、愛すべき破壊系キャラです。

Charactors

ポーカーフェイスな河田先生。知力の全てを賭けて手を抜くあたりが他人と思えませんな。それでいて妙に子供心をつかんでそうなところがまたよかったりして。作品の自堕落で楽しいムードを決めるキャラクターですね。
池田先生。ギャンブルにめっちゃ弱いあたりが他人と思えませんな。暴力教師に始まって、被験教師、猥褻教師、赤貧教師と作品が進むうちに肩書きが増えてるあたりが何ともナイスです。他のキャラクターは全然持ちネタが変わらんというのに・・・。2巻も楽しみなキャラですね。
藤田先生。個人的に、こういう上司が近くにいるような気がするのは気のせいでしょうか。ふたりのツッコミ役・・・というよりは名トリオという感じがしますね。憎めない感じで、もっともっと出てきて欲しいオッサンです。
最後に忘れちゃ行けない、桃山
・・・何者?

Guide

絵的にはちょっと古くさい感じもありますが、ネタのしっかりした四コマに絶妙のテンポが組み合わされて、読みやすさでは屈指の作品になっている、と言ってもいいと思います。
一応時節的な流れはありますが、ちまちま好きなページからめくっても問題なし。ゆっくりネタを味わいつつ笑いたい、いかにも四コマ!と言える傑作です。

2000.12