（フクシマハルカ／講談社コミックスなかよし・全４巻）
ダイナマイトセクシーボディーにあこがれる小学五年生・川島夏海は、ふとしたことで手に入れたピンク色のナッツを食べて、大人の女性に変身してしまう。
その姿で外へ出た夏海は、さっそくあこがれてた美容院のお兄さんにスカウトされ、一気に注目の的に・・・
オトナになった夏海がひきおこす、アップテンポな変身コメディー。
うほー。
当ＨＰのＢＢＳでなにかと話題になった作品、いよいよ紹介です。え？「びぜんやも世論には弱いな」って？
前フリはともかく作品紹介に逃げ込みますと、この作品、とにかくテンションの高さが光りますね。
主人公がお気楽でおバカなのは変身コメディーに欠かせない要素ですが、「ナッツ」の夏海ちゃんもあっけらかんとした子供っぽさが魅力の女のコ。ダイナマイトボディになったおとななつみと、子供っぽい性格・行動のギャップがどのエピソードでも軸になっていて、そこが楽しいですね。ちいさな騎士・遊馬くん、どこかそつがなくて正体不明な森ノ宮博士もいーキャラで、しっかりストーリーを盛り上げてくれます。
すぱんすぱんと軽快なリズムを刻みながら、とにかくお気楽に進んでいく作品。そのムードが良くて、笑いどころらしい笑いどころはないのに、それでもとにかく「読んで楽しくなれる！」という感じですね。
ショートカットにいかにも活発そうな勝ち気な表情がかわいいのはこどもバージョンの夏海ちゃん。無邪気にオトナにあこがれる感じがいかにも小学生の女のコという感じで、ほほえましくも危なっかしい、そんなキャラクターですね。ちょっと凶暴なところがまたよし。
オトナバージョンの夏海ちゃんは・・・反則ですね。セクシーボディに露出度の高い服が標準装備。バブリーでゴージャスな感じが痛快ですが、そこに子供っぽい行動がミックスされるのですから、楽しいに決まってます。
どちらの夏海ちゃんもステキですが、個人的には７：３くらいでこどもなつみの方が好きかなー。出番は３：７くらいで少ないんですけど。
夏海ちゃんを守るちびっこ騎士・米山遊馬くんもなかなかかわいい男のコ。こちらもこちらで小学生らしい子供っぽさとあぶなっかしさがいいですね。この年頃らしい、先にオトナになってしまう女のコに対してちょっと焦る気持ちと、男らしい強気さがいい味になってます。
それにしても鼻血吹きすぎだよなー、遊馬。貧血にならないのかしらん。
もひとりのメインキャラクター、「おとなにナッツ」を開発した天才遺伝子工学博士で、黒髪ボブカットにカチューシャが似合うお兄さま・森ノ宮勇之助博士もいい味だしてますよねー。おねえ言葉にアルカイックな表情。うーん、謎が謎を呼ぶキャラクターという感じ。こういう得体の知れないさそり座系キャラクターは好きなんですよねー。
まぁ、ひとことで言うとノリとテンションを楽しむ作品でしょうね。「なかよし」掲載作品ということで、基本的には小中学生の女のコをターゲットにした作品。まぁ、ハナシの深さを求めちゃいけません。
夏海と遊馬・ふたりのメインキャラクターの心の動きにはらはらしたり時には苦笑したりしながら、ストーリーにはまりこむと言うよりはむしろ、ちょっと引き気味にしてコミカルなノリを楽しみたいものです。
ノリにしろネタにしろ変身コメディーの基本は抑えてあるので、このテの作品が好きならかなり楽しめるでしょう。
２００１．８