お星様にお願いっ!

(藤崎真緒/白泉社花とゆめコミックス・全8巻)

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Story

笹原智(ちま)は今まで住んでいた町を離れ、新しい町で高校生活を送ることに。
今までは子供の頃から男の子のようにして育ってしまい、好きな男の子に告白しても、
「つきあうなら女の子らしいコがいい」
と言われる始末。
新しい町で女らしい新しい自分を作るぞ!と気合いを入れる智だったが・・・
クラスの担任は昔の隣人・縞崎暁で・・・

Impression

ちまちゃんがいればそれでいい。
他に何もいらない。







って、これじゃ紹介文でもなんでもないので、書きます。
いや、ちまちゃんがいいんですよ。1巻のカバーなんか(ちょっと本編とイメージが違う気がしないでもないのだが、それもまたヨイのだ)、もう、もうもうううううっ。こぼれるような黒い瞳、花びらのような口もとに、小岩井とろけるスライスチーズモッツァレラ風味のような気持ちになってとろり〜んとしちゃいます。
すぐすねて見せたり、ちょっとしたことで真っ赤になったり。やっぱり女のコはストレートな性格が一番。ストーリーを追わなくても、ページをめくりながらちまちゃんの豊かな表情を追いかけるだけで満足できちゃいます。
縞ちゃん先生もこれがこれでまたいいんですよね。まあ、容姿は好みじゃなし、性格もむちゃくちゃ好きというわけじゃないですが、年下の女のコにひかれてく男の心理がうま〜く出ていて、ヨッパライのようなシュミの人間には、いちいち、
「あぅぅっ、そうそう。その気持ちわかるっ」
てなことばかり。
「よしっ、大きくなったらボクも縞ちゃんになるんだっ」
と少年が大志を抱いちゃうほどです。誰が少年やねん。

Chima

ショートカット元気娘なちまちゃん。っつーか、ちゃん付けしないで、暁兄のように、「ちまっ」と呼び捨てにしたくなるような雰囲気がありますね。
暁兄にいじめられ、天河部長におもちゃにされ、久世先生にはからかわれ・・・ですが、なーんかそうしたくなる愛らしさがあるんですよね。身体中で感情を表現するところがとっても愛らしくていい感じ。
かわいいなあ、かわいいなあ、っていうだけじゃなくて、ちょっと気になって、でも、がんばれよっ、って頭をぽんっと叩きたくなる、そんな女の子ですね。

Guide

よくも悪くもちまのキャラクターが作品を決定付けている作品なので、この辺でハマれるかどうか、というところでしょう。基本的にらぶらぶ一辺倒の作品なので、コメディー要素を求める方にはちょっと不向きかな?という気がします。アルコールが入ってる時とか、何か辛いことがあったときとか(何故?)、テンションが高まってるときに読んだ方が楽しめるような気がします。

1999.11
2000.3