（時計野はり／白泉社花とゆめコミックス・全１１巻）
たったひとりの身寄りだった祖母を亡くし、天涯孤独となった１４歳の少女、宮下桜。
途方に暮れる彼女の許に・・・・・・・・・・・・・突然４人の兄が押しかけて来た！
オカマな長男・正、クールな次男・隆、短気な三男・剛に無口な四男の武。
突然現れた４人の異母兄の押しつけがましいまでの好意に戸惑う桜だったが、彼らが胸に抱く、妹に対する真摯な優しさに触れていくに従い、兄たちを大切に思い始める・・・
妹萌え・黒髪萌え・ロリ萌えのハートを鋭く貫く、アットホームでハートウォーミングなぬくぬくホームドラマ。
黒髪セーラー服のヒロイン。
当サイトの最大勢力である「花とゆめコミックス｣。
そしてなんといってもこのタイトル、「お兄ちゃんと一緒｣。
あまりにもピンポイントでびぜんやを狙ってきたよーなこの作品。あまりにもピンポイントなゆえに、「うーん、これを買ってしまうってーのも、なんかそのままズバリすぎてアレだよなー」などと思い（何がアレなんだかよくわかりませんが）、しばし購入に躊躇していたんですが。
結局買っちゃいました。
我ながらホントに好きですねー、黒髪妹。
てなわけで、そのままズバリすぎるこの作品。
下火になりつつある感もある妹ブームによいしょと乗っかったキワモノ作品？ という先入観もあったんですが、フタを開けてみれば中身はオーソドックスな少女系ハートウォーミングストーリー。
「みんなの妹」桜ちゃんを４人の兄達が大切に思い、心配している、その雰囲気がほんわかとしたアットホームさに繋がっていて、心地よくムードに浸れる作品になっていますね。４人の兄達はそれぞれに個性的なんだけど（特に正）、それがストーリーの中で突出してないから、しっかり家族の雰囲気の中に溶け込める。
そんな中で桜ちゃんの一生懸命さがいちばんの熱源になっていて、だからこの本を読んでいると、思わず「妹、ほしいなぁ〜」などと夜空のお星様に向かってそっとため息をこぼしちゃったりしてしまうのですね。
それにしても・・・
本棚にこの作品があるだけで、「やってもうたー」ってな気分になるのは私だけでしょうか。
ほんと、そのままズバリすぎるよな、このタイトル。
ストライクゾーン、ずばりど真ん中。
黒髪ショートボブ＋セーラー服＋妹というエルドラドなトリニティ。純朴ムード満点なところがまた、妹萌えの心をくすぐってやまない、そんなオーソドックスな妹キャラですね。
ちっちゃいのにしっかりしてて、いつも一生懸命。それゆえに甘え下手で、お兄ちゃんズの前ではいつもから回りしてしまう、そんなところがかわいいかわいいキャラクター。
そして、この作品は少女マンガだけあって、桜ちゃんの場合そんな姿を外面から愛でるだけじゃなく、内面がほっこりと描かれているので、桜ちゃんを応援しつつ、インサイドから愛でる事が出来ちゃう、ここが大きなポイントなんですよね〜。
紙面から伝わる体温が愛しい、そんな妹。
作品タイトルどおりの、妹の中の妹、という感じのキャラにほっこりめろめろとなってしまいます。
まあ、もう、タイトル通りそのものズバリの作品です。
基本的にジャケ買いして間違いない作品ではありますが、少年系萌えコメのようなノリはなく、雰囲気はあくまでもアットホームな王道少女マンガ。その毒のない、ほのぼのしたスローな雰囲気を楽しめる人向けで、あくまでキャラ萌え狙い！というひとにはちょっと物足りなく映るかもしれません。
少女マンガの入門作としてはなかなか好適、という感じもありますね。
２００５．２