落花流水

(真田一輝/芳文社まんがタイムKRコミックス・全9巻)

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Story

葉山秋穂は高校に入って弓道を始めた、初心者の高校一年生。しかし、部活でやることといったら、憧れの水夏先輩に接近密着しようとすることばかりで……弓道部を舞台にした、百合風味コメディ四コマ。

Impression

黒髪+和装のヴィジュアルで買っちゃった四コマなんですが。
そして予定通り、黒髪ポニーテール弓道少女百合風味な秋穂ちゃんに萌えつつ、ロリっ娘化学教師真冬ちゃんにも萌え萌えしちゃったわけなんですが。
予定外にしっかり笑えるネタ揃いで、思った以上に楽しめました。
起承転結の四コマはもちろんタイトルまで使って、ニヤリとさせたり、プッと吹き出させたりするネタが揃っていて(時折マニアックすぎたり、ネタが古かったりで若者はついて来られるのか心配になりますが……)、これはまさにネタのひとつひとつ鮮度抜群な、塩竃の寿司屋みたいなクオリティ、満足感なんですね〜♪
きらら系の四コマでは定番のキャラのかわいらしさ、ムードの暖かさはきちっと抑えた上で、キレのあるネタを取り揃えてくれるんですから、これはもう何度も何度も読み返しちゃいますよね。
そしてもうひとつ、忘れちゃ行けないのが百合要素♪
水夏先輩命! な秋穂ちゃんの猪突猛進ぶりににやにや笑いつつ、3巻から登場の暁夕コンビのヴェテランカップルぶりに(時折ドン引きしつつも)これまたにやにやしちゃう、百合のツインターボシステムで、一気に頬が緩んじゃうんですよね〜。
ガールズトークにとどまらず、ネタと百合、それぞれに半歩踏み込んだちょっと濃いめの萌え四コマ。
これはお買い得ですね〜。

Akiho Hayama

わっほ〜〜〜〜♪ 黒髪和風美少女〜〜〜〜♪
というわけで、私の萌えのツボを完全無欠に射抜いてくれるヴィジュアルにくらくらしちゃったりするわけなんですが。
大好きな水夏先輩を振り向かせるためなら、水夏先輩に触れるためなら、水夏先輩に近づくためなら、水夏先輩をひとりじめするためなら何でもするという、暴走妄想百合娘っぷりがなんとも潔くて、にやにやしちゃうんですよね〜。ほら、バカな子ほどかわいい、なんて言うじゃないですか♪
しかし、ギャグ担当の色ボケ百合娘に見えて、実は弓道も料理もしっかり出来る、地道な努力家でもあるんですよね〜。
どんなことにもマジメにまっすぐに向き合う女のコだからこそ、ちょっとの暴走や妄想ぐらい、チャームポイントとして許しちゃえるんですよね。

Charactor

弓道部の部長さんが、帆風水夏先輩。
大会優勝経験もある弓道の達人で、才色兼備、人気抜群、クールでオトコマエな部長さんなんですね〜。その一方で、かわいいものには目がない、なんて一面もあったり。そんなギャップも含めて、パーフェクトな女のコなのです。
本作品の賑やかし役が暴走関西娘・草場春河ちゃん。どこに飛んで行くのかは、放たれた矢に聞いてくれという感じの弓道の腕なんですが、本人の生きざまも似たようなもの。興味の赴くまま、気の向くままに突っ走り、作品をいいようにかき回してくれます。……まぁそれでも、百合色の強い誰かさんに比べたら、遥かに真人間のような気もしますが。
全国三千万のロリ女教師愛好者(もちろん私もその一員)の声に応え、1巻中盤からさっそうと登場するのがちびっ娘化学教師・霜月真冬先生。ローティーンのフェイスと、三十代のボディのギャップが、実に魅力的ですね〜(ネタ的に)。
存在の総てがツッコミどころ、という感じで、いちいち楽しい先生なのですね。

Guide

ころころ替わる絵柄に、ハッキリとした百合属性。ネタにはブラックな物も含まれ、ムードで読ませる「きらら系」の中では、アクの強い作品といえるでしょう。
ある意味、正統派の四コマを好まれる人向けの作品かもしれません。そういう意味では「トリコロ」「GA」の線上にある作品かな、とも思います。

2012.3