ほしいのはひとつだけ

(高瀬綾/講談社コミックスなかよし・全3巻)

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クラスで一番14歳になった緋川梨花だが、そのとたんに驚く事ばかり。誕生祝いに出かけた街でお姉ちゃんの彼氏が学級担任の矢野だと知ったり、クラスの人気者・哲太に告白されたり・・・
そして恋を知らなかった梨花はゆっくりと矢野に惹かれはじめる・・・

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この作品のサブタイトルが、
「Real Love in 14」。
「えぇ〜い、好きになった相手が先生だとか、それがまた姉のつきあってる相手だったとか、そんなのが今時の中学生のリアルな恋愛なのか?お父さんは許さんぞぉ」
とおっしゃる向きもあるかもしれませんが、まあ、こらえてください。
実は、最初はそんなに興味がなかったんですけどね、この作品。
梨花がお姉ちゃんの代役で矢野とデートに行くエピソードでぎゅ〜んとはまりました。
う〜ん、私がうなじフェチだとか、教師×生徒のシチュエーションに弱いとか、表情豊かな女の子にすぐめろめろ〜んとなっちゃうとか、さまざまな病的要因をくすぐられまして・・・
高瀬さんの画は、目とか手とかに表情があって、よいです。特徴がある、という画ではないんですが、瞳の中の梨花のとまどいを抱きしめてあげたくなるような、ブラウスの向こうの梨花の体温が感じられるような、存在感のある画なんですよね〜
梨花の感情の揺れがふっと現れてくる感じで、初恋の戸惑いやときめきが、リアルに表されていると思います。

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設定やキャラクターに突拍子もない、と言うような部分がなくとっつきやすい作品と言えるでしょう。
ただ、ローティーン以下の女の子を対象とした恋愛マンガで、それだけでぐっと読者を引きつけるような派手な設定はないので、少女マンガを読みなれていない方には辛いかもしれません。

1999.7