Rec

(花見沢Q太郎/小学館サンデーGXコミックス・全16巻)

ノーマルモードへ

story

製菓会社の冴えないサラリーマン、松丸文彦はある日、映画館で声優のタマゴ、恩田赤と出会う。そしてその日、赤は火事で焼け出され、文彦の部屋に転がり込むことに。
夢を目指してもがく少女と夢を探せずにもがく青年のすれ違いラブストーリー。

Impression

たまには青年誌っぽい作品も紹介してみよー。
ってなわけで、声優として夢を叶えるためにひとりがんばる女のコと、会社として夢のない日々の中でもがく青年の物語、「Rec」の紹介です。うーん、このシチュエーション、いかにも青年マンガですね〜。
出会ったその日に居酒屋行って、そのままベッドを共にしたりします。うーん、このシチュエーション、いかにも青年マンガですね〜。オトナのメルヒェンですね〜。私もいっぺんぐらいかわいい黒髪ぽにての女のコが部屋に転がり込ん・・・・・・
えー、以下自粛しまして本題に戻りますと、実際のところ青年マンガとしてかなりオーソドックスな展開の作品でして、真っ直ぐ前を見つめる少女と立ち止まる青年のすれちがいがテーマのロマンス系作品。しかし、夢を一途に目指す赤にも立ち止まったり悩んだり挫けたりするときはあるし、平凡な毎日を生きる文彦にも目指す先はあるわけで、そのへんがまたふたりの距離を急速に近づけたり、微妙に遠ざけたりして、なかなかはらはらどきどきなのです。

Aka onda

いつかオードリー・ヘプバーンの声を演じることが目標、夢にまっしぐらな黒髪ポニーテール少女、恩田赤ちゃんが本作のヒロイン。
誰にも頼りたくないという、悲壮な自立心を抱えてがんばる姿には、きらきらした眩さと、今にも消え入りそうな儚さが同居してる感じで、存在感十分。黒髪ポニーテールという飾らない髪形も、どんな仕事でも立ち止まったり悩んだりしながらも、前向きにこなしていこうとする、ひたむきで明るい彼女のキャラにマッチしてますね〜♪
毅然とした顔、思いっきりの泣き顔、恥じらいの表情に満面の笑顔。すべてに真剣だから表情も豊かで、このへんオトコゴコロを鷲掴みにしてくるポイント。けして「いつも笑顔!」ってキャラじゃないんですが、それだけに100万燭光の輝きで心を満たしてくれますね。
もちろん青年誌ヒロインだ、お色気だってまかしとけ。下着姿はもちろん、ハダカだって半ばレギュラー。黒髪と白い素肌のコントラスト、すっきりしたポニーテールとおとなしめの曲線のコンビネーションにもかな〜り胸がときめいちゃいます。

guide

青年系ラブコメの基礎の基礎、といった感じのイージーな作品。ディテールとかも細かくないので、かわいい声優さんとの甘〜い同棲生活を絵柄と雰囲気で楽しみましょう。

2004.3
2004.7