(松江名俊/小学館少年サンデーコミックス・全5巻)
この作品はのTAKAJAさんからご紹介いただきました。
いじめられ、転校を繰り返してきた高校1年生・白浜兼一は、ある日発作的に「逃げるのはもうやめだ!!」と、自らを鍛え、戦い抜く決意を固める。
そして、町唯一の道場「梁山泊」の門を叩くが、そこはスポーツ化した格闘技を受け入れることが出来ず、殺人的にその技を昇華させたもの達が集まる道場だったのだ。
その常識離れした「修行」に耐えつつ、兼一は自らのうちに力を蓄え、学校の猛者どもにリベンジを果たす。時には紅一点・美羽の色香に惑わされたりしながらも・・・
ひとことで言えばオーソドックスな少年マンガ。第一印象としては、やや古臭さを感じないでもないですが、個性のあるキャラクターをうまくからめて賑やかなムードを作り、飽きない作品になっています。
とはいえやりこの作品の売り物は主人公の素直さ、ストーリーの素直さ。兼一がきつい修行をこなしながら次第に強くなって行き、次々と現れる不良たちをばったばったとなぎ倒していくカタルシスは、先が読めていてもひきこまれてしまうだけの強さを持っています。へんにストーリーを脇にずらさず、あくまで兼一に視点を絞っているところが、作品を引き締めていますね。
小ネタもそこそこ効いていて、徹頭徹尾アップテンポなりズムを作っているのも好ましいポイントで、目だたない作品ではありますが、気軽にかつ手堅く楽しめる好作です。
2001.5