(白野アキヒロ/芳文社まんがタイムKRコミックス・1〜3巻)
ケンカ上等のコワモテ金髪ヤンキー・佐藤カンナは、実は見た目に反して、甘いものが大好き。顔見知りのいない町まで出かけ、スイーツ三昧を楽しんでいたカンナだが、そこを品行方正なご令嬢、クラス委員長の望月美都に見つかってしまう。
……が、美都のほうもご令嬢とは思えない表情、品行方正な雰囲気には似合わない勢いで山盛りの肉料理に食らいついていて……。
見た目とのギャップがある食嗜好のあるふたりは秘密の協定を結び、だれにも内緒のふたりきりの食事会をするようになるのだった。
ふわっふわのお嬢様だけど思いっ切り肉食の美都と、喧嘩上等金髪ヤンキーだけどスイーツに目がないカンナ、そんなギャップのあるふたりの化学反応を楽しむタイプの作品ですね。
毎回毎回カンナと美都のふたりがいろいろ食べるわけですが、ディテールはそこそこで、しかもどれも女子高生が食べて違和感のないメニュー。グルメマンガとしてはパンチ不足と言わざるを得ず、その分はダブルヒロインのころころ動く表情とJKモノらしいシチュエーションの魅力でカバー。このレーベルらしい百合コメディを楽しむ作品と言えます。
周囲の期待に応えるために、自分の好きなことを隠そうとする彼女らの姿は、一歩引いた目で見れば、大人の目で見れば、取るに足らないようなことにこだわっているようで滑稽でもあり、そこが笑いどころでもあるのですが、その若々しさが可愛らしく見えてくるのがこの作品のいいところ。
シンプルで、しかしポップにリズミカルにコメディが展開される様が心地よく、繰り返し読んでしまう中毒性があります。
2025.8