(橘裕/白泉社花と夢コミックス・全1巻)
渡辺あきら(5歳)。夢は正義のヒーロー、「バトルZ」になること。家族は白バイ警官の父・健太、かなりほえほえな母・ちか子、居候ののんびり屋・稔、そして子犬のゼット。渡辺家の人たちのハートフルな日常が一話完結スタイルで綴られる。
この絵柄でハートウォーミングなストーリーとなると、淡白な作品を想像しがちなんですが、いたるところに散りばめた小ネタが効いていて(ほとんどちか子さんばっかりだけど)、結構笑える、明るい雰囲気の作品になっています。
各キャラクターの役割分担が絶妙で、「渡辺家」という習慣性のある作品世界にとりこまれてしまうようなところがあります。ここ!といったキャッチーな部分はないけれど、二重丸がつけられる好作品です。
1999.2