(武内昌美/小学館少コミフラワーコミックス・全5巻)
北白川菜々子は2年前事故死した兄・高志が通った羽根木高校に合格。彼女の目標は、兄の遺志を継ぎ、マネージャーとして羽根木バスケ部の全国制覇を見届けること。そして兄の後輩で初恋の相手、四条博嗣に会うこと。
しかし入学してみればバスケ部は既に廃部、博嗣もバスケットに対する情熱を失っていた。スポーツ万能な同級生・渡月夏嵐とバスケ部再興に駆け出す菜々子はまず、不良四人組に目をつけるが・・・
おちこぼれ軍団が全国制覇への道を駆け上がる(のか?まだ第1巻なので何とも言えないけど・・・)というストーリーは、青少年誌ならまさに黄金パターンですが。しかし、これはばりばりの少女マンガ。ほえほえな雰囲気、かっこいい兄ちゃんたち、瞳には星がきらきら、30目前のいい大人の男が読んでいると、背筋から尾てい骨までぞぞぞぞ〜っというものが走りそうなあま〜い空気にあふれてまして、う〜ん、そこがいいんですね。
わりとパターンが読めてしまうところがありますが、菜々子のひたむきで、でもちょっととぼけたキャラクターがよくて、ストーリーに引き込まれてしまいます。
いっしょけんめい前向きで、ちょっとぼけてて、さらさらのボブカットがとってもかぁいくて。菜々子ちゃん、い〜ですねぇ。にぱっと笑った表情がとぉ〜ってもいいのです。一所懸命にバスケ部のために取り組んできた、そのあとの「にぱっ」だから、すごく心に入り込んでくるんですよね。
ぶいっ、とか喜びをストレートに表す仕種、でもどんなに辛くても泣かない強さ、作中のキャラクターだけでなく、読者をもぐいぐいっととどこか前の方へ引っ張ってってくれそうなところがあります。
うう。男ばかりだ。書きたくないなぁ。山科陸くんはかぁいいけど。
まあ、冗談はさて置きまして、四条博嗣を筆頭にどこか陰のある、あるいは裏のありそうなキャラクターがそろっていて、なかなか魅力的なメンツになっていますね。これからに期待期待。個人的にはハゲこと高雄元のクールさと底の知れなさが気になってます。
雰囲気が雰囲気、ビジュアルがビジュアルなので、少女マンガ初心者のヒトはちょっと辛いかもしれませんね。
とにかく菜々子の笑顔が、仕草が、表情が力をくれる、そんな作品なので、あまり考えこまず、すなおに作品を読みましょう。ちょっと落ち込んだ時とか、気分が盛り上がらない時に読みたい作品ですね。
男性陣の個性がなかなか豊かなので、女性ならそういった方面でも楽しめそう。いや、男性がそういった方面で楽しんでも構いませんが・・・