+ANIMA

(迎夏生/メディアワークス電撃コミックス・全10巻)

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Story

その世界には動物の力を秘めた人間、「+アニマ」が生きていた。
黒い翼を持つ少年、カラスのアニマのクーロはひょんなことから、サーカスで人魚姫の役をしていた魚のアニマの美少年、ハスキーと知り合う。
サーカスを逃れ、ふたりの少年は、さまざまな人と出会うあてのない旅を始める。最初に訪れたのは果てしなく草原の広がる谷間の村だった・・・

Impression

ショタもロリもどんと来い!ってな感じの、すっきりかわいい絵柄が目を引く作品。
ですが、キャラ萌え系の作品ではなく、様々な人々との出会いで成長していくクーロたちを描いた、正統派のほのぼのファンタジーです。 
クーロたちが事件と出会う「起」、その事件が広がっていく(事件を大げさにしてるのは主にナナの担当のような気がしますが・・・)「承」、それが意外な方向に転がって+アニマがピンチに陥る「転」、そして最後は鮮やかに解決してよかったねの「結」、その四拍子のリズムがいつもきっちりはまってて、安心して読めますね。
さまざまな事件は起きるし、キャラクターはどれも揃って腕白だし、なかなか賑やかな作品ではあるんですが、作品の視点としてはキャラクターと一緒になってドタバタ騒ぎ回る、というよりは彼らを優しく見守るような感じ。母親が子供を、あるいは兄姉が末っ子を見守るような視点で、少し突き放したり、少し甘やかしたりしながらも、「しょうがないね、この子たちは」ってな感じでくすりと笑える、そんなムードがあるんですね。だから、作品の懐が深くて、ちょっと優しい。
そしてキャラクターに少し愛しさを覚える、そんな読後感が得られる作品です。

Charactor

+アニマのメインキャラ4人、一挙紹介と行きましょう♪
まずは主人公のクーロ。黒い髪に黒い瞳に黒い翼、そしてショタ魂をそそるような腕白さがいいですね。まさにブラックフェザーのこ・あ・く・まって感じ(笑)。この4人の中ではやんちゃな末弟という役どころかな。かわいい顔をしてるのに意外としたたかだったりするところが、むしろかわいさ倍増!ってな方向に働いてていいですね。
続いては魚の+アニマ、ハスキー。クールでマイペースな次兄役ですかね。クールでマイペースなんだけど、4人のまとめ役にならざるを得ないところがあって、それがクーロやナナと衝突する原因だったりもするんだけど、そういう意味ではいいにぎやかし役になってますね。
4人の長兄役はクマの+アニマ、センリ。他の3人が局地戦向けなのに対し、センリはパワー担当。寡黙な性格と相まって、頼れる兄貴分、って感じはあるんですが・・・ 行動に何かと謎が。とにかく自分の行動を全く説明しないので、そこがかえっていいキャラクターになっていますね。
で四人組の紅一点、ナナ。女の子らしくおしゃれで、ちょっとおませな感じがいいですね。とにかく動き回るキャラで、クーロとは違う意味で目立ってます。目が離せない妹という感じがしますね。 

Guide

特段の説明もなく、ファンタジー世界でストーリーが進められるので、ある程度ファンタジー慣れしてる方向けでしょう。これといった個性がなく、バランス重視の作品なので、こたつに寝転んだりしながら気楽に楽しむのが似合う感じ。明るい雰囲気にのんびり浸って下さい。

2002.2