(迎夏生/メディアワークス電撃コミックス・全10巻)
その世界には動物の力を秘めた人間、「+アニマ」が生きていた。
黒い翼を持つ少年、カラスのアニマのクーロはひょんなことから、サーカスで人魚姫の役をしていた魚のアニマの美少年、ハスキーと知り合う。
サーカスを逃れ、ふたりの少年は、さまざまな人と出会うあてのない旅を始める。最初に訪れたのは果てしなく草原の広がる谷間の村だった・・・
少年少女の成長を描いたファンタジー作品です。
テンションが高いという感じではないんですが、全体に漂う、朗らかな明るさが嬉しい作品。異世界を舞台にしつつも、ディテールに凝ることもなく、ストレートに主人公・クーロたちが繰り広げるストーリーを楽しめる読みやすい感じに仕上がっています。迎さんが挿絵を描いていたファンタジー小説「フォーチュン・クエスト」とムード的には通じるものがありますね。
正直なところ、ここというアピールポイントがなく、全体のバランスで勝負するような作品なので、紹介文が書きにくいんですが、とにかくそのクセのなさ、明るさが魅力の作品。軽ファンタジーの王道的作品で、広く勧められると思います。
2002.2