うちの会社の小さい先輩の話

(斎創/竹書房バンブーコミックス・1巻〜)

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Story

新入社員・篠崎拓馬の先輩、片瀬先輩は小さくてかわいい。
後輩思いで優しくて、無邪気で天然で、自然に距離を詰めてくる片瀬先輩に、拓馬は翻弄されっぱなし。
そして無意識に拓馬を翻弄していたはずの片瀬先輩も拓馬のことを意識しているようで……。
純情すぎてもどかしい職場のふたりを観察する「お砂糖系ラブコメ」ここに開幕。

Impression

オビには「癒されたい貴方に贈るお砂糖系(あまあま)ラブコメディ!!」という惹句がありまして。いや、それ以上に説明の必要がないと思います。読んだらそのあまあまっぷりに身体が耐え切れずたっぷり砂を吐けます。ちょっとしたビーチでも作りかねない勢いで砂を吐けます。
カバー裏には「後輩思いのロリ系先輩×地味で奥手な後輩くんの見守りたいオフィスラブコメディ」というコメントがありまして。いや、それ以上に説明の必要がないと思います。読んだらその絶妙な距離感に精神が耐え切れず、ごろごろしながら部屋を転がりまわったあげく、あまりのむずがゆさに身体を床にこすりつけるようにして身悶えてしまいます。
カヴァーの詩織里先輩のちみっちゃかわいさと、このふたつのキャッチコピーを見て衝動的に本を手に取り、レジに駆け込んでしまいましたが、いやぁ、正解でした。読んでたっぷり癒されました。
学園ラブコメが好物だけど、オフィスものはいろいろ身につまされちゃって(サラリーマン長いからね)苦手、な私でしたが、この作品は問題なく楽しめます。ほら、こんなちっちゃかわいくて優しい先輩がいる会社なんて、現実にあり得んでしょ。ファンタジーでしょ。って感じで。
うん、まぁ、私の勤め先の隣の席にも若い後輩がいるので、「いやぁすまんなぁ後輩よ。かわいい癒し系の先輩じゃなくて、無気力系なオッサンの先輩で悪かったなぁ」という気にはちょっとなりましたけど。
なにはともあれ、ひたすらピュアでじれったいふたりを観察して、極限まで身悶え出来る良ラブコメです。

Shiori Katase

「うちの会社の先輩は小さくてかわいい」。
毎度エピソードの冒頭にあるこのひとことで全部紹介されちゃってますね。当作品の小さくてかわいいヒロイン、片瀬詩織里先輩です。
上目遣いがデフォルトのちっちゃな先輩で、まふまふ柔らかそうな小動物系。どこからどう見ても先輩に見えない先輩なんですが、出ることろはしっかり出ているいわゆるひとつのトランジスターグラマーだったりしまして、そのギャップがまた魅力だったりするんですよね〜。
小さくてかわいいのに時折先輩風をびゅーびゅー吹かせてくる、そのへんがまたチャームポイント。でもやっぱり小動物みたいでかわいい先輩なので、どこか抜けてたりどこか無防備だったりどこか天然だったり、「守ってあげたいッッッッッッ!」と保護欲をぐりぐりとくすぐるような言動ばかりで、目が離せません。
それでも先輩なので残業してると「これは部下への押し付け いわばパワハラですから」とコーヒーを差し入れてくれたり、仕事を手伝ってくれたり、風邪を引いたらお見舞いに来てくれたり、とにかく面倒見がよくて、「あああ、ウチの会社にもこんなかわいくて優しい先輩が欲しかったよぉぉぉぉぉ!」とネクタイ引きむしりながら丸の内の虚空に叫びたくなってしまいます。や、私の勤め先丸の内じゃないですけど。
そして、折々に触れて後輩の篠崎くんを意識して、わたわたしたりほっこりしちゃってるところが最大のチャームポイント。先輩だけれど純情可憐な恋する乙女、そんなところがとってもかわいい、小さな体に魅力がたっぷり詰まった先輩です。

Charactor

脇を固めるメンツも数少ないながらいい味出していて見逃せませんね〜。
まぁ主人公の篠崎拓馬くんは優しくて真面目な好漢というだけで面白くもなんともないので軽くスルーしまして、篠崎くんの同期女子が早川千夏さん。
さっぱりとしたクール女子、といったイメージで片瀬先輩とは対照的なイメージ。年上のはずの片瀬先輩に妙になつかれちゃったりしてるんですよね〜。
しかしその裏ではコスプレを嗜んでたり、薄い本をつくっていたりという一面も。典型的なツンデレキャラで、ルックスからは窺われないかわいいところを持っているナイスなサブキャラなのです。
みんなの上司にあたるのが秋那千尋主任。真ん中分けに糸目という、いかにも軽そうで、いかにも何を考えてるかわからなそうなキャラですが、軽くて何を考えてるか分からないキャラです。
行動原理は会社の業績アップとか、自身の出世とかそんなところには全然なくて、部下(というか篠崎くん)の恋愛事情が面白ければそれでいい、というなかなかいい性格の持ち主。純朴で奥手な片瀬先輩&篠崎くんの背中をテキトーに押してくれる、この作品のエンジン役になっています。

Guide

「笑える」という感じじゃないではなく、「にやにやする」タイプのラブコメですね。
ひとつひとつのエピソードが2〜8ページと小さいので、好きなエピソードを繰り返し読むのに適しています。
しっかり向き合って読むのではなく、手許においてぱらぱらめくりたい作品。忙しい毎日の中のちょっとした息抜きにオススメです。

2020.12