（ＣＬＡＭＰ／講談社ヤンマガＫＣデラックス・全８巻）
貧乏浪人生・本須和秀樹がバイト帰りにゴミ捨て場で拾ってきたのは、人型パソコン。それを「ちぃ」と名付け、同居（？）生活を始める秀樹だったが、ＯＳもインストールされていない「ちぃ」はパソコンに疎い秀樹にとっては手に余る存在。
そこで親友・新保に協力を頼むが、ちぃと接続した新保のノートパソコンがクラッシュしてしまい、さらに訪ねた国分寺稔の家では・・・
無垢なパソコン「ちぃ」と純情青年・秀樹の新世紀王道ラブコメディ。
発売と同時に当ＨＰの掲示板でも話題となった注目作。となればここでも激推しなくっちゃでしょう。
作品の内容と言えば、パソコンどしろの青年が拾ってきたパソコン相手に奮闘しつつ、パソコンについて深く知っていくというパソコンＡＢＣマンガなんですが、そのパソコンはなんと人型。それもとびきりキュートで無邪気なんですから、くはぁ、もう、要するにサイバー萌え萌えな雰囲気になっちゃうんですよね。
ちぃをはじめとして、すもも、柚姫ら女性型パソコンがかわいいなら、清水先生、管理人の日比谷さん、バイト先の裕美ちゃんら（人間の）女性脇役陣も魅力的で、いやぁ、なんちゅうか男子の本懐やのぉ、という感じですね。いやマジでうらやましいぞ本須和秀樹。
そんなかわいい女の子達がハイテンションな雰囲気の中で、それぞれの魅力を全開してくれるおいしい一冊。一度めくったら手放せなくなるような、夢の詰まった一冊ですね。
・・・で、余談ですけど。
人型パソコンがナチュラルに存在する世界っていいよな〜。
こんな世界なら私も「おおっ、○士通から待望の黒髪ショートカット型パソコンが登場？これは買いだぁっ！」などと、ラオックスヒナタ佐久平店のチラシ握りしめつつ虚空をにらんだりしてるんでしょうね。日本の個人消費もこれで復興だぁ！
ＣＬＡＭＰさんお得意のほえほえキャラクターですが、そのほえほえさというか、無垢さがとにかくハイレベル。そんなところがいーですねー。
とにかくなんでもすぐまねっこしたり、ワケを理解しないままとんでもない行動に走ったり、ひとつひとつの行動が突拍子もなくて、次にちぃちゃんがどんな行動をするのか、目を離せなくって、そしてその行動を見たときにほんわか萌え萌えしてしまう、そんなキャラクターです。
さらにそんなちぃちゃんに標準添付されてるのは、あどけなく愛らしいルックスと、美脚貧乳系のえっちいボディ。こんなコが至近距離にいてあーんな行動やこーんな行動をしてくれたら、秀樹ならずとも思わず前屈みになってしまいますよね。あぅー、こんなパソコンが欲しいよぅ。
その他の女性キャラもきれいどころ揃い。なんとなくなじみやすい好青年の秀樹はそのへんにほっといて、参りましょう。
まずは黒髪ショートカット巨乳美少女、大村裕美ちゃん。かわいーですよねー。無邪気に、元気に、満面の笑顔で秀樹を慕ってくるあたりがもう頭なでなでしたくなる感じで魅力的。胸もいーけど、元気そうに飛び跳ねる脚もなかなかいいかな、と。
ほんわか系管理人さん、日比谷千歳さんもナイス。竹ぼうきが似合う、正統派管理人さん（何だそれは）ですね。いろいろ知っていて、だけどほわっとした笑顔の中に全てを包み込んでしまう、そんな感じの「オトナの女性ー」的雰囲気がいいですね。
オトナの雰囲気と言えば、きりっと伸びた背筋と涼しげな目許の清水多香子先生。元気がみなぎってる！ってな感じの、歯に衣着せぬ言動がいいですね。振り回されたくなるタイプというか、友達にしたいタイプというか。
とにかくタイプの違う美女揃い。くはぁっ、やっぱりおいしい作品ですねー。
ＳＦ的趣向の作品ではありますが、設定でどうこういうタイプの作品ではなく、気軽に手に取れます。ストーリーの流れや、読者を引きつける謎もしっかりありますが、基本的には堅苦しく考えずに雰囲気を味わったり、キャラ萌えで楽しんだほうがよいかと。その上で引力あるストーリーを楽しめる、密度の高い作品です。
２００１．３