こみっくがーるず

(はんざわかおり/芳文社まんがタイムKRコミックス・1〜3巻)

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Story

絵がヘタ、キャラが萌えない、ストーリーがつまらないという三重苦を抱えながらも独特のセンスがある四コママンガ家の萌田薫子(PNかおす)。
マイペースで食いしん坊、そしてコミュ力の高い少女マンガ家の恋塚小夢。
かわいいものが大好きだけど、雰囲気はアダルトというギャップを持つTLマンガ家の色川琉姫。
ボーイッシュな熱血漢、だけどそれが時折度を越してしまう勝木翼。
4人のマンガ家が出版社の寮で繰り広げる、かわいくて、どこかおかしい日常を描いた四コママンガ。

Impression

作者のはんざわかおりさんは、半澤香織の名前で「りぼん」誌で活躍していたマンガ家さん。
ですから、少女マンガ好きな私にとってはヴィジュアルだけでも十分期待できる作品だったのですが、読んでみればそのナカミも期待通り、いや期待以上でした。
ふわっふわのヴィジュアルにふさわしい、ゆるくてまったりな女子高生マンガ家の日常を和みながら鑑賞できるのはもちろん、殆どのネタをしっかり「マンガ」というテーマに絡ませてきて、しかも4コマ目にはきちんと落としてくれるので、読んでいるうちにじわじわと作品に取り込まれ、笑ってしまうんですよね〜。
キャラクターがはっきりした4人の「先生」が織りなす日常は、どこか微妙にズレていて、そこがくすりと笑わせるポイント。強引に笑いを取りに来る、という感じではないんですが、無駄なネタがひとつもなく、ちょこちょことこまめに笑いを取りに来るので、いつの間にかこのノリにハマっちゃうんですね。
ヴィジュアル、キャラクター、リズムが三位一体で盛り上げてくる、習慣性の高い萌え四コマです。

Charactor

本編のヒロインが、四コママンガ家の卵、かおすちゃんこと萌田薫子ちゃん。残念な絵柄、さらにキャラが萌えない、ストーリーがつまらないという三重苦の持ち主です。しかも引っ込み思案な上に、女子高生離れしてるというかかい摘んで言ってしまうとオッサンのようなセンスの持ち主。それが却って、応援したい! 守ってあげたい! と思わせる、なかなか独特のキャラクターの持ち主です。ふわふわなヴィジュアルに、儚げな表情がたまらないですね〜。
かおすちゃんのルームメイトが少女マンガの恋塚小夢ちゃん。いつもお菓子を食べていて、かおすちゃん以上にふわふわというか、ぷにぷになルックスの持ち主ですね〜。翼ちゃんに憧れてる百合っぽさや、それがすっかり空回っちゃってるところもまた、チャームポイントです。
少年マンガ家の勝木翼ちゃんはボーイッシュな魅力のある女のコ。一見クールに見えますが、その実マンガに真摯な熱血少女。マンガに入り込み、主人公に感情移入するためにキャラクターのコスチュームを身につけるのは序の口、日々のトレーニングを欠かさず、主人公が両腕を負傷しているなら自分も腕を使わないという……熱意を通り越してどっかあさっての方向に走っちゃってる女のコです。
ラストの紹介はちょっとHなTLマンガ家の色川琉姫ちゃん。本人の名誉のため、PNはここには記さないでおきます。黒髪ロングの吊り目っコで、大人びたムードがある女のコですね〜。大人びているというか、な〜んだかフェロモンが微妙に漂っちゃってたりして、それ絡みのエピソードも多く……結局しっかりして大人びているようで実はオチ要員という、おいしい立ち位置にいたりします。

Guide

基本的には、4人のかわいい女のコを愛でるだけの四コマ。
マンガに関するディテールはちょっと薄めですし、かなりネタ方向にディフォルメされているので、マンガ家の日常マンガと思って読むと、肩すかしを喰らいます。
キャラが把握しやすく作られているので、かなりとっつきやすい作品だと思います。

2015.11