(河内和泉/エニックスガンガンWINGコミックス・全19巻)
機械いじりが得意な少年、叶晴彦の前に、突然現れたのはグラマーな女悪魔・ユウカナリア。
一級悪魔・フルカネルリの魂を所持するユウカナリアは、フルカネルリと似たニオイを持つ晴彦に、その魂を定着させようと企むが、あえなく失敗。ハルヒコはフルカネルリの力だけを手に入れてしまう。
そして、ハルヒコはユウカナリアにカラダを、下級悪魔にフルカネルリの力を狙われることに。純情少年・叶晴彦の迷走がはじまる!
宙出版のKanonコミックアンソロジーの看板作家としておなじみ、河内和泉さんがいよいよエニックスからオリジナル新作を発表してくれました。
期待を持って購入してみれば・・・おおお、期待通り、いや、期待以上じゃないですか。軽妙なかけあい、ナチュラルハイなテンション、黒髪のヒロイン、ちょっとHなコメディ要素。ライト&シャープな、コメディらしいコメディですね〜。
作品の縦軸となるのは悪魔・フルカネルリの能力を手にした高校生・晴彦が作った道具に魔力を付加(エンチャント)して悪魔を倒すストーリー。で、横軸が晴彦と彼のカラダを狙うヒロイン・ユウカナリアのちょっとHなかけあい&お色気描写。このふたつだけでも男のコの興味をがしっと鷲掴みしてくれるんですが、魔力付加という味付けの効いた設定や、魔石の謎、フルカネルリとユウカナリアの過去など、小業的な設定も用意されていて、これが隠し味のように効いてくる、効いてくる。
シンプルで入りやすく、それでいてなかなか読み込める。
いつの間にかハマっちゃって、そのノリとお色気とストーリーを繰り返し繰り返し楽しんでしまう、中毒性の高いコメディです。
ぷにとかろりとか萌え〜とか、そんな言葉ばかりを繰り返し、お姉様系キャラを推すことなどめったにない当コーナーですが。
やるときゃやります。
いつからお前は宗旨がえしたんだと言われそうですが。
推すときゃ推します。
黒髪Fカップ魔女・ユウカナリアちゃんを大PUSH〜♪
えっちなボディに晴彦少年を惑わすような言動の数々がなんといっても◎。小悪魔が成長すると悪魔になるのだな〜というのが納得出来るような、かわいらしくもドキドキものの誘惑っぷりに読んでるこちらも頭がくらくら。「1回くらいならもーっ思い残すことないぐらいに気持ちよくしてあげてもいーのよ?」なんて言いながらぎゅっと迫られたら、こりゃもう大脳新皮質が蒸発し、脊髄は瞬時にとろけ落ち、桃色の血潮を迸らせて昇天してしまいますね。
Fカップ美乳、くびれ感抜群のウエスト、丸いお尻のトリニティは、神が、いや魔王が創り出した芸術。プロポーションが抜群なら、これこそ特筆しておきたい生きのいい美脚、いたずらっぽい吊り目、そしてなんといっても腰まで伸びた黒髪、これらのパーツの色気も魅力抜群。鼻血度120%の下着姿には一気に泉州沖まで吹っ飛ばされるほどのインパクトを受けてしまいました。いや〜たまには美巨乳もいいもんです(笑)
本編の主人公が叶晴彦。機械いじりが得意な熱血純情派。ちょっと悪人顔?という気がしないでもないけど、そこそこ美形。頼りがいがあって、少女マンガの主人公も張れるかも・・・?っていうキャラなんですが。ユウカナリアに押しまくられ、押し切られ、押し倒され、いーようにあしらわれています。
純情可憐な童貞っぷりが楽しい、典型的少年系ラブコメの主人公なのです。でも、少年マンガの主人公だから、やるときゃしっかりやります。
そんなギャップがなんともおいしい、主人公らしい主人公ですね。
その晴彦が憧れるのが幼なじみの藤川優香先生。黒髪ベリーロング+巨乳のゴールデンタッグは、ユウカナリアとうりふたつ。顔も、吊り眼のユウカナリアに対して、垂れ目の優香先生という違いはありますが、そっくり。ユウカナリアとは対照的に、ほえほえ癒し系な雰囲気も魅力的で、ユウカナリアよりも優香姉に萌え〜♪という方も多いと思います。
・・・というか、いつものノリならびぜんやもそう言ってそうなんですが・・・
「お色気」がキーワードのこの作品、ちょっとHなビジュアル、小ネタ、この辺が最大の作品のエンジンになっているのは事実です。
が、テンポのいい掛け合い、少年マンガと少女マンガの中間的なビジュアル、細かく練られた設定など、他にも魅力的な部分が多く、「超本格ファンタジーコメディ登場!!」という初版のオビのコピーはけして伊達ではありません。
お色気が苦手、ファンタジーが苦手、という方でなければ、文句なく楽しめるだけのクオリティは持っていると思います。
2003.3