機工魔術士-enchanter-

(河内和泉/エニックスガンガンWINGコミックス・全19巻)

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Story

機械いじりが得意な少年、叶晴彦の前に、突然現れたのはグラマーな女悪魔・ユウカナリア。
一級悪魔・フルカネルリの魂を所持するユウカナリアは、フルカネルリと似たニオイを持つ晴彦に、その魂を定着させようと企むが、あえなく失敗。ハルヒコはフルカネルリの力だけを手に入れてしまう。
そして、ハルヒコはユウカナリアにカラダを、下級悪魔にフルカネルリの力を狙われることに。純情少年・叶晴彦の迷走がはじまる!

Impression

河内和泉さんの初コミックスとなる当作品。とはいえゲームの二次創作や同版元での読み切りなどで場数を踏んでいることもあり、画面作り、絵柄、ストーリー運び、設定など、どこをとってもこなれた印象があります。
お色気ファンタジーとも呼ばれるこの作品、確かにそっち系統の掛け合いや、プロポーション抜群のヒロイン・ユウカナリアのキャラクターに大きく比重がかかった、かなりキャッチーな印象のある作品なのですが、たっぷり描き込まれたバトルシーンや、「魔力付加」という独特の設定、味のあるサブキャラクター陣など、一度引き込んだ読者を離さず、ストーリーの先へ先へと引き込む読み込み要素もしっかり備わっており、見た目以上のボリューム感のある本格派です。
インパクトとクオリティ、切れ味と安定感、それらをうまく両立させた、満足感の高いファンタジーです。

2003.3