(やぶうち優/小学館てんとう虫コミックススペシャル・全1巻)
小学五年生の聖夜の父が作った家庭用介護ロボット(試作品)、その名も「イブ」。
10歳の少女の外見を持ったイブは、聖夜の同級生として小学校に通いはじめるが、常識や情緒のデータが未成熟な彼女は、そのストレートな行動で聖夜たちをおどろかせてしまうのだった。
皆さんも何年か、あるいは十何年か前にお世話になったであろう小学館の学年誌「小学五年生」で連載された、アンドロイド少女「イブ」を軸に、子供たちの成長を描いた中編です。
と、ノーマルモード風にまとめてみましたが。
イブはむっちゃむちゃかわいいし、初登場はいきなり裸エプロン(爆)だし、えーい、そのあともブルマだったり浴衣だったりスクール水着だったり、とにかく小学五年生だった時代を幾星霜の彼方にふっとばしてしまったヤロー共のハートをめろめろにしてしまうようなシーン満載のなかなか危険な作品です。うーん、今時の小学五年生はこんな作品を毎月読んでるのか。日本の将来がちょっと心配になってくるよーな気がしないでもありませんが。
とにかくロリロリでポップな魅力がページからほとばしる楽しい作品。「少女少年」の時にも書いたような気がしますが、小学生だけの読み物にしておくのはもったいなさすぎるぞ、実際。
1999年にはV1046−R型 ヴェスパー・ハイパー・ソルジャーMAHOROを、
2000年にはHMX−12 マルチを紹介してきた当HPですが。
2001年の新型、NL−EVE01 イブちゃんも、ロリロリ度爆発、煩悩刺激度1000%の強力アンドロイドです。
「学習するロボット」として小学校に送られたイブちゃんの奔放で幼くて、あぶなっかしい言動の数々はほんと、一度ハマったら抜けられない強力な磁場を持ってますし、描くはぷに絵の第一人者、表情、ポーズ、コスチューム、どれをとっても破壊的なまでの愛らしさで読む者を捉えて離さないやぶうち優さんとくれば、これはもうこの愛らしさの奔流に身をゆだねるしかないでしょう。
それにしてもほんと、イブの魅力は「成長する」というこの1点。オトナに憧れ、人間に憧れながら、少しずつ進歩していくイブって、本物の小学生を見るようなあぶなっかしさと楽しさがあって、なんか背中を押してあげたくなっちゃうのです。あぅ、こんなアンドロイド、ウチにもほしいよ〜
とにかくタイトルが「EVE」というぐらいで、主人公・イブのキャラクター性が絶対中心となっているこの作品、どーしても他のキャラクターは弱いんですが、その中で聖夜の幼なじみ、早坂朝乃ちゃんが存在感出してますねー。ショートカットで、ちょっとボーイッシュですけど、心の中はしっかり女のコしていて、イブのことをライバル視してみたり、そんなとこがいいんですよね。でも、イブのもしかしたら一番の理解者。ほんと、いいコです。終盤のバレンタインデーのエピソードなんか、彼女の良さが出てていいですよね。
もうひとりの主人公・内藤聖夜は素直に育った感じがするまっすぐな男の子で、好感もてますよね。男の子はまっすぐが一番。え?私?私はもう1X年前に男の子を捨てたからもーいーんですよ。素直じゃなくっても。
余談ながらみんなの担任って、佐藤みるく先生なんですね。分かるヒトには分かる小ネタでした。
えー・・・総てのアンドロイド好きの人の方にオススメします。さすがにツボをしっかり抑えてますわ(笑)。
それはともかく、学年誌連載作品だけあって、適度なアップダウンはあるものの、基本的にあっけらかんと読みたい作品。とにかく主人公・イブの存在感がすべての軸になってる作品なので、キャラクターにのめりこみつつ、わくわくしながらストーリーを追っていくのがいいでしょうね。
2001.6