あいレベル

(松乃美佳/集英社りぼんマスコットコミックス・全1巻)

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Story

小柄な自分。内気な自分。子供っぽい自分。
そんなコンプレックスをバネに恋を実らせる少女の姿を丁寧に描いた、松乃美佳さんの学園恋愛短編集。

Impression

超王道!な少女短編集です。
内気だったり、コンプレックスを抱えてたりなヒロインが、恋をする事で勇気を持ったり、自分らしさに気づいたりして成長する、ド定番なエピソードが勢ぞろい。
それだけに定番だからこその分かりやすさ、というのがあって、ちみっちゃかわいいとしえちゃん、内気な眼鏡っコ手毬ちゃん、ショートカット図書委員由布ちゃん、子供っぽい真知ちゃん、それぞれが恋を成就させるプロセスを、萌え萌えしながら、どこかシンクロしてみたりしつつ楽しめるのです。
ストーリーラインはあくまでも淡くて、たおやか。だから、ヒロインのビジュアルに心とろけつつも、「爆萌えー!」ってな感じじゃなく、あくまでじわじわ、じわじわって感じでキャラにハマる感じを味わえます。う〜ん、この甘美な感覚。
恋して背伸びして変わってく、思春期の女のコのかわいらしさが、ぞんぶんっ!に楽しめる短編集です。

Episode & Charactor

中学・高校と図書委員を歴任した私としましては、やっぱり一番おきには「はあとライブラリー」のショートカット図書委員、宮沢由布ちゃん。無造作にハネた感じの髪がかわいくてときめきますね〜。
いっしょけんめいながんばり屋さんだけど、ちょっとおっちょこちょい。そんなとこが保護欲という名のツボを的確に刺激してくれるわけでして、んー、私が図書委員現役当時にこんなかわいい委員がいたら絶対ほっとかないよなー、とか思ってみたり。もちろん、実際にはそんな甘い話はなかったんですけどねー。
図書室のカウンター裏で仄かに育つ恋。こんなシチュエーション、女のコならずとも憧れてしまいますよねー。
さて。
全日本ちっちゃいコ大好き友の会の皆様、お待たせしました。表題作「あいレベル」のヒロインが小島としえちゃん。つむじがかわいい(?)145.3cmの高校生です。
8時になるとスイッチが切れるようにどこでも眠っちゃうとこがまた、かわいい感を増幅してくれてます。
物語はその低身長をコンプレックスに思ってるとしえちゃんが、長身の坂上くんとのふれあいの中で自分らしさに気づく物語。
恋をすると女のコは強くなる、キレイになる。そんな感じで、蕾だった少女が恋の花びらをほころばせる成長物語。
ちみっちゃいとしえちゃんだから、なおさらその恋を応援したくなる、そんなシンクロ性抜群のほのぼのラブストーリーです。

Guide

カバーの見た目そのままの少女少女した作品集。
ベタな展開、線の細いキャラクター、ハッキリ言って、お好きな方だけどーぞ、という感じの本ですね。
読み込むというよりはビジュアルとキャラを楽しむ方向で。

2003.8