（松乃美佳／集英社りぼんマスコットコミックス・全１巻）
小柄な自分。内気な自分。子供っぽい自分。
そんなコンプレックスをバネに恋を実らせる少女の姿を丁寧に描いた、松乃美佳さんの学園恋愛短編集。
いかにもオーソドックスな、少女マンガ短編集です。
キャラクターは奇を衒うことなく、読者がシンクロしやすいちょっと引っ込み思案な女のコとしてまとめられており、展開やセリフ回しも最近の少女マンガから比べるとコンサバティブな印象。
下手にインパクトを狙うことなく、淡々と、しかし丁寧にヒロインの心理を拾うような描写には好感がもてます。
どちらかというと恋愛要素よりは成長要素にウェイトが置かれており、ラブストーリーとして見ると、ご都合主義過ぎるような部分もあるんですが、年少向け少女マンガというジャンル特性や、主題をはっきりさせるという点から考えると、このくらいのバランスがちょうどいいような気もします。
２００３．８