星の瞳のシルエット

(柊あおい/集英社文庫コミック版・全6巻)

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story

沢渡香澄は同級生の泉沙樹、森下真理子とクッキングクラブを作ることに。何のことはない、真理子の片思いの相手、久住くんのいる弓道部が調理室から見えるのだ。しかし香澄もまた、久住くんに心が惹かれていってしまう。しかし香澄の心の中にはもうひとり、すすき野原で「シリウスの星のかけら」をくれた男の子がいるのだ。が・・・

impression

男だてらに少女マンガを読むなどという不気味なことをしているヨッパライであるが、この作品はまさにそのきっかけとなった作品。
今ならもうちょっとポップでキャッチーな雰囲気のコミックの方が好みなんですが、当時はこのしっとりとした感じの世界に感銘を受けたものでした。とても少女マンガらしい雰囲気を持った作品といえるかも。
香澄ちゃんは香澄ちゃんとして、久住くんは久住くんとして、司は司として、キャラクターがしっかりしているのも魅力。
それぞれがそれぞれに互いを思いやりながらも、自分の心に戸惑いながら進んでいく・・・というテーマはせつないんですが、それぞれの想いの交錯ぶりがテンションを高めていて、今読み返してもやっぱり引き込まれます。連載当時なんて、ほんとわくわくしてたもんなあ(まあこのへんの展開力は集英社らしいという気もしますが)。
もちろん香澄ちゃんも魅力的。けなげで一途で・・・あ、某所で書いたヨッパライの好みのキャラクターってけっこう香澄ちゃんがベースかも。うーん。
それにしてもあれから15年か。
進行したなあ・・・ロリ病。

guide

少し厚めの文庫本なので、本屋さんでカバーをつけてもらって電車の中なんかで読んでると、勉強してるように見える・・・かも。文庫という手頃なサイズですし、思わず人目も気にせず爆笑してしまう・・・というパターンもないと思うので、気軽に持ち歩いてひまつぶしに読んでみてもいいかもしれませんね。ただし久住パパには注意。

1999.2