ロウきゅーぶ!

(たかみ裕紀・蒼山サグ・てぃんくる/アスキー・メディアワークス 電撃コミックス・全12巻)

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Story

「桐原中の司令塔」として県内に名を轟かせたバスケ少年・長谷川昴は、期待を胸に七芝高校に進学するが、入学から7日目、不祥事による活動謹慎という形でその夢を奪われる。
伯母で小学校の女子バスケットボール部顧問をしている篁美星になかば唆され、なかば脅されるようにして、昴は慧心学園女子バスケットボール部の臨時コーチを務めることになるが、児童たちはバスケットボールのルールもロクに知らない素人ばかり。しかし彼女らには強くなりたい、自分たちの居場所を守りたい理由があった。
バスケットボールを軸に、少年の熱意と少女たちの想いが交差する、「さわやかローリング・スポコメディ」。

Impression

まぁ、さる筋から「なかなか面白いよ」というオススメがありまして。
「でも、ただのコミカライズでしょ」と、ちょっと斜に構えたりしつつも、「ま、しょ、小学生だしね」とロリ萌え根性を久々に発揮させたりしつつ手にとったんですが。
おお。
面白い。
ページをめくる前の先入観は、いい意味で鮮やかに覆されました。
体育館にずらっと並んだ5人の小学生メイド! 
といういきなりなヴィジュアルにももちろんやられたんですが、バスケマンガとしてもど真ん中を熱く抉ってくる面白さがあって、いざ読み始めると、ページをめくる手がもう止まらない止まらない。
主人公・昴の葛藤と、少女たちの戸惑い、成長を、バスケというモチーフに巧みに絡めながら、スピード感たっぷりにストーリーが進む、それだけでも面白いのに、要所要所でコメディ要素や萌え要素が絡んでくるんですから、しかもそれが小学生なんですから、心拍数はうなぎ登りで、テンションもぐいぐい上がってしまいます。
カヴァーから想像出来ないスピード感と爽快感が何とも心地いい、緩急自在、剛柔を巧みに組み合わせた、ハイブリッドな萌えコメディ。
これは、オススメですよ〜。

Tomoka Minato

本編のヒロイン!
慧心学園初等部6年生!
湊智花ちゃんの紹介でございますよ〜♪
ぺったんこひきしまったボディに、短く切り揃えられた髪、そして泣きぼくろがチャームポイントの勝ち気な瞳。いかにもスポーツ少女らしい、爽やかな雰囲気の美少女です♪
天使のように宙を舞い、見る者を虜にするジャンプシュートを放ったかと思うと、疾風のごとく敵陣に切り込み、貪欲に勝利を求めるバスケの天才少女。小さな身体にもかかわらず、豊富なスピードとセンスでゴールに迫る姿を見ると、わくわくが止まらなくなって、鳥肌がたつほどぞくぞくしてしまいます。
だけど素顔の智花ちゃんは、とても友達思いで、聞き分けのいい女のコ。
そして、自転車にふたり乗りするだけで「いけないこと してる」なんて呟いちゃう、純真まっさかりな少女なんですよね〜。
こんな女のコに頼られたら! 上目遣いされたら! 満面の笑顔を向けられたら!
保護欲と征服欲が拮抗した後、梓川の右岸をドリブルしながら時速300キロで疾走して邪念を駆逐し、ぎゅっと智花ちゃんを抱きしめながら(←ホントに駆逐されたのか、邪念)どんな無理な願い事でも叶えてあげたくなっちゃいますね。

Keishin Gakuen Girls Basketball Team

余談ですが。
小学校の5〜6年生のとき。ちょうど智花と同じ年頃のとき、ちょこっとバスケやってました。
嗚呼。
あの頃こんなかわいいクラスメイトがいて、一緒にバスケとか出来てたらなぁ〜

などと与太を言いつつ、慧心女子バスメンバーの紹介です♪
この作品のテンションメーカーといえるのが、ツインテール元気少女のまほまほこと三沢真帆ちゃん。比較的聞き分けのいいコが揃った慧心女バスのメンバーの中で、まほまほの活発さはいいエンジンになってるんですよね〜。むずかしーことは考えない、小学生らしい無邪気な前向きさがまぶしい女のコです。
慧心女バスの中でひときわ目立つのが、香椎愛莉ちゃん。小学生とは思えない長身! 小学生とは思えない巨乳! ……これは視線を奪われちゃいますよね〜♪ そんな誰もが羨むプロポーションを持っていながら、当の本人は強度の引っ込み思案で、長身をコンプレックスに思っている、というのがまた萌えポイントですね。
慧心女バスの良心と言えるのが、永塚紗季ちゃん。この作品では貴重なツッコミ役でもありますね♪ きりっと大人びたクールフェイスにスレンダーボディ、メガネの三点セットが彼女の冷静沈着さを示していますが、ボールを手にし、アイガードを装着すると、紗季ちゃんの負けず嫌いなところが垣間見えたりして……そこがなんともかわいいんですよね〜。
当作品の最大最終兵器がイノセント・チャームの二つ名を持つ袴田ひなたちゃん。5人の小学生女子の中でも特段のろりっ娘度を誇る純真少女です。バスケをやるとは思えない低身長に、色素の薄いふわふわのロングヘアー、天然風味のおっとりした言動。どれをとっても、保護欲を刺激されてしまいますね〜。
この作品の黒幕にしてパワーユニットと言えるのが、慧心女子バスの顧問にして腕力系つるぺた教師の篁美星先生。ただのズボラ教師に見せておいて、その実、児童思いで熱いハートの持ち主なんですよね〜。惚れてしまうほどに漢らしい行動論理の持ち主。この先生がいてこその「ロウきゅーぶ!」なのです。

Guide

単なるろり萌えコメディのように見えますが、なかなかしっかりしたスポ根テイストを内に秘めています。
お色気成分とか、ギャグ成分とかは比較的少なめなので、その辺を期待されるとしんどいかも知れませんね。

2011.7