らき☆すた

(美水かがみ/角川書店単行本コミックス・1〜10巻)

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Story

無敵のオタク女子高生・泉こなたを筆頭に、ツンデレツインテールの柊かがみ&天然少女・柊つかさの双子姉妹、天然巨乳完璧超人・高良みゆきら、多彩なキャラクターが織りなす女子高生の日常を描く。
萌え系四コマの決定版ともいえる、ゆるゆるまったり学園四コマ。

Impression

いつものように、サンテレビの「そのだけいばダイジェスト」を見ていた火曜日。
そのままつけっぱなしにしていたテレビから、不意に流れてきた女の子ヴォーカルの賑やかな音楽に、テレビから離していた目を戻すと。
そこでやっていたアニメ。
それが、「らき☆すた」でした。
そんなわけでアニメ軽視派の私には珍しく、アニメをきっかけにして単行本を買って来たんですが。
さすがヒット作、萌えますね〜。
正直ネタの切れには乏しく、絵柄の萌え度も物足りないんですが、そういうカタログスペック的な部分とは別のトコロにこの作品の魅力はあるのですよね〜。
天衣無縫のオタクガール・こなたちゃん、ツインテールツンデレ少女・かがみちゃん、のんびり天然系少女・つかさちゃん、歩く萌え要素・みゆきちゃんのカルテットを中心に、ゆたかちゃんみなみちゃんこよりちゃん、みさおちゃんあやのちゃん、パティにあきらちゃんにゆい姉さんに黒井先生、これでもかと登場する女の子たちが魅力の源泉。
そのかけあいが実にほほえましくも実感的で、萌えるの萌えないのったら萌えまくりなんですよ、もう!
大量に登場するヒロインのそれぞれがきっちりと魅力を備えていているんですから、これは読者の萌えのキャパシティに作者が挑戦状を叩きつけているとしか思えません!
さらにゆるゆる〜なネタが穏やかな日常を送る彼女たちの個性をしなやかに彩り、萌え度を加速してくれます。
くすりと笑う四コマではなく、あくまでにやにやと頬を緩めながら、萌え笑いするタイプの四コマ。
こういう作品こそ、やみつきになっちゃうんですよね〜。

Yutaka Kobayakawa

当作品のヒロインは泉こなたちゃんということになるのですが、四コマ界屈指の豊富なキャラクター数と圧倒的な萌え指数を誇る当作品だけに、読み手ごとに「自分のメインヒロインはこのコ!」というのがあっても全然オッケーでしょう!
と理論武装をしたところで、びぜんやの個人的メインヒロイン、ゆーちゃんこと小早川ゆたかちゃんを大紹介!
ちみっちゃ感抜群の小動物系愛玩少女。
こなたちゃんの家に転がってきた従妹で、こなたちゃんを「お姉ちゃん」と呼んで慕うあたりとか、病弱なところとか、ちょっと引っ込み思案なところとか、ぶかぶかの袖口とか、すぐに頬を赤らめるところとか、どこもかしこもがいちいちかわいらしくて、もう、保護欲を根こそぎ持ってかれてしまう感じ!
実際のトコロ、「らき☆すた」の1巻を読了したときはそれほど「萌える〜」って感じもなかったんですが、2巻でゆーちゃんが登場したところから、萌え指数が垂直カーブを描いて急上昇、読み返すのも2巻以降、ゆーちゃんが登場するパートばかりだったりするのですね。
ゆーちゃんなしで「らき☆すた」は成立しない! とまで断言したくなる存在感抜群の「歩く萌え要素」なのです。

Charactor

本編のヒロインが泉こなたちゃん。ちみっちゃつるぺたbodyに、泣きぼくろ、アホ毛+半目と、チャームポイントたっぷりなヒロインです。しかしほんわか癒し系を標榜する作品のヒロインでありながら、その思考形態は明らかにアキバ系男子のモノ。読者とのシンクロ度がたっぷり高い、印象派のヒロインです。
ボケキャラ・天然キャラ満載のこの作品で、孤軍奮闘するのがかがみんこと柊かがみちゃん。
ツインテール+ツンデレ+ツッコミという3T要素が、こなたちゃんと対照的な意味で萌えスペック全開! って感じですね。加えてクールぶりながら、優等生でありながらさびしんぼうというあたりが萌え! 萌え! 萌え!なのです。
かがみんの双子の妹が柊つかさちゃん。某神○あ○りちゃんを彷彿させるルックス、家庭的、天然と、こちらも姉に負けず劣らずの萌えスペックトリニティを標準装備した強者です。正味な話、この作品は笑いどころが少ないと思っているんですが、つかさちゃんの天然言動には思わず笑ってしまうこともしばしば。こなかがコンビに比べると控えめな立ち位置ながら、しっかり存在感を示してくれる妹キャラです。
忘れちゃいけないのが歩く萌え要素・高良みゆきちゃん。
天然で巨乳、お嬢様で眼鏡っ娘、品行方正成績優秀な委員長と、歩く萌え要素の異名に違わないハイスペックぶりを発揮しています。その魅力の中心はやはり、こなたちゃんのボケもオタネタも柔らかく受け止めるマイナスイオン全開の包容力。こんな女のコに癒された〜いと叫ばずにはいられない、ほんわか癒し系少女です。
ゆたかちゃんとコンビを組むのが寡黙なスレンダーガール・岩崎みなみちゃん。フィヨルドのような群青の瞳に、氷のような無表情。しかしその奥に思いやりを秘めたシャイな女のコです。3巻p47R「手に手をとって」でゆたかちゃんの気持ちに気づき、彼女を名前で呼んであげるシーンは彼女の思いやりの真骨頂ですね〜。なごなご。
この作品で稀少な黒髪成分を補充してくれるのがゆたかちゃんのお姉さん・成美ゆいさんと、ゆたかちゃんの同級生で、同人少女の田村ひよりちゃん、かがみちゃんの同級生・日下部みさおちゃん。
埼玉県警の婦警さんとは思えないハイテンションな暴走ぶりを見せてくれるゆい姉さんは、出番は少ないながらも作品を光らせる好アクセント。
ひよりちゃんは何と言っても、親友であるはずのゆたかちゃんとみなみちゃんで百合妄想を繰り広げちゃったりする、読者とシンクロ率100%の妄想力が魅力ですね。
みさおちゃんは比較的女のコらしい、いい子がそろったメンバー構成の中で貴重なボーイッシュおバカキャラ。出番が少ないながらも、愛すべきバイプレイヤーです。

Guide

ゆるネタばかりなので、笑えるか? 面白いか? という視点で捉えるとちょっと厳しいですね。面白いか面白いかではなく、萌えるか萌えないかで評価されるタイプの作品で、しかもある程度、こちらから「萌えに行く」気持ちで積極的に読みに行かないと、面白さを味わえない気がします。萌えが分かる男だけが楽しめる、ゴールドブレンドな四コマといえるでしょう。
ヒット作ということでサブテキストやアニメDVDなどさまざま出てますので(二次創作の同人誌もね)、ハマる人はとことんハマれる作品でもあります。

2007.9