(たかみね駆/NHK出版・全1巻)
たかみね駆さんの初単行本。プロ野球選手1名を各回ごとにピックアップ。独特の視線で4コマ劇を展開する。
いやぁ、「きまぐれMVP!」が単行本になると聞いて私、欣喜雀躍しましたね(ヨッパライのわりにむつかしい言葉知ってる)。「まんパロ」なんて、これ見たさに買ってたようなもんだったからなあ。しかし版元はなんとNHK出版。本屋に行ってもコミックコーナーのどの辺においてあるのか、とんと見当も付かないぞい。というわけでNHK出版のホームページ行って、ネット通販で手に入れました。
内容のハナシをしましょう。基本的にいろんな選手を茶化しているだけなんですけど、まずその選手選択がマニアック。藤本博史とか、上田和明とか、音重鎮とか、そんな選手テーマにマンガ書いて誰が読むんじゃーい!と虚空に向かって叫びたくもなりますが、ま、マニアにはそこがいいのよ。さらに、茶化し方がツボをついていて、かつ独特。野球が好きじゃなきゃ、こんなハナシ書けんよなー、とつくづく感心してしまいます。絵がまたプリティなんだな。彦野がプリティ、杉浦先生がプリティ、中嶋がプリティ。え?現実は・・・?
なんつーか、素直に笑える作品。たかみねさんらしいと思います。そういえばこのころって広沢、ヤクルトにいたんだよねー。イケ・トラコンビとか言って。このまま色あせて欲しくない選手なんだけど。て、これじゃ杉浦の話じゃないな。
現在「まんパロ」誌(あ、今度から「スポコミ」だっけ)に連載中の「さわんだふるA!」に通じるエピソード。この山本&今中編はみんな好きです。山本昌のあのフォーム、ダイナミックでいいよね。ま、中身はともかくとしてさ・・・
起承転結がきっちり決まっていて、いい感じです。杉山ってホントこんな雰囲気するよね。ホントの所、どうなんでしょう。
えーと、野球に詳しくないとちと辛いと思います。なんせ最初のエピソードが1991年(たかみねさん、オレより年下だよなー。いつからこんな不思議なもの書いとんのやろ)、最後のネタでも1996年。ちょっと前の球界世相も知ってないといけないですし。特に杉山賢人とか、荒木大輔とか「旬」ネタの人の場合。野球に詳しくない方は、野球に詳しいお父さんとか、お姉さんとか、彼氏とか、豊田泰光さんをどっからか連れてきて、となりにはべらせて読んで下さい。そういう人が近くにいないときはメール下さい。私が解説いたしましょう。
1999.1