（小池恵子／竹書房バンブーコミックス・１〜９巻）
佐藤ななこは夫・タクさんを力一杯大好きな新妻。
愛するタクさんのため、一人前の奥様になるべく、まっしぐらに主婦道を邁進中だ。
そんなななこの天然まっしぐらっぷりがたっぷりつまった、明るいホーム四コマ。
若奥様四コマ。
萌え系学園四コマをメインに紹介している当サイトでは珍しい系統で、ウチのヨメさんにも、この本を買った時には「意外・・・」と言われてしまった作品なのですが、紹介します。
だって、かわいくて面白いんですから。
主要な登場人物はかわいくて元気で一生懸命でちょっと天然な若奥様・ななこと、だんなさまのタクさん、ふたりのみ。
波風もたたないらぶらぶ〜な新婚家庭を舞台に描かれた四コマで、当然爆甘ムード満点なんですが、それで終わりなワケはなく、ひとつひとつのネタは生活感が溢れている中に切れがあって、主婦や主夫には（このサイトを見に来る人で主婦や主夫がどれだけいるかと言われるとかなり疑問ですが）納得のネタ、耳の痛くなるネタがてんこもり。
そして、その中には毒がないから自然と、にやにやしながらネタを楽しんじゃえるんですよね〜。
特に夫婦者にとっては、「毎日って面白いっ！」ってなことを再認識させてくれるような、ネタとムード双方でしっかり楽しませてくれる四コマです。
お出迎えのたびにタクさんの胸に飛び込んでいくまっしぐらな愛情と、家事への溢れる熱意、駝鳥を飼ったり乳酸菌の野望に思いをめぐらしたりパンツにはるか流浪の旅をさせたりと、とどまることのない妄想力と２７％の体脂肪を兼ね備えるスーパーな若奥様。
こんな奥さんが一家にひとりいたら楽しいですよねー。・・・あ、一家にふたり若奥様がいる家はあんまりありませんか、そうですか。
基本的にはやる気満々で、しっかりもののかわいい若奥様。
しかし、タクさんへの愛と家事への思い入れが妙に突き抜けちゃっているから、ただのしっかりものでは終わってなくて、微笑ましい、小動物的な愛らしさのあるキャラクターになっているんですねー。なんつーか、むきになって回し車を高速連続回転させるシマリスかジャンガリアンハムスターを見てるような楽しさと言いますか。
まっしぐらな性格がチャームポイントになっていて、そこが巧い具合に女性には共感出来て、男性だったら癒されちゃう、そんな感じ。
ネタを追うほどにその存在が気になって来る、かわいい若奥様なのです。
ななこに力いっぱい愛されてる、うらやましいダンナさまがタクさん。
人畜無害で冒険しない性格、かつ家事は万能と、なにげに理想のダンナさんしています。ななことは違った意味で、一家にひとり欲しい存在ですね。
ちなみにびぜんやは自称主夫ですが、洗濯スキルがありません。人格と趣味に問題あります。「一家にひとり」の道は険しいですね。
ただのドラッグストアー店員だが、苗字が苗字なので良く薬剤師と間違われているという、かなりどーでもいいプロフィールを持つ男・薬師丸将は、この作品で２番目に印象的なキャラですね。
爽やかできびきびした店員さんに見えて、実は元ヤン、今も熱い魂を抱えている男。
そのスピリットと、ななこののほほんとした日常がクロスした時に起きるドラマ（？）は必見です。
最近の萌え系四コマというよりは、ネタで読ませる正統派の四コマに近い印象ですね。そのネタネタは主婦の生活に密着したものが多いので、基本的に女性向けの作品と言えるでしょう。
男性でも天然系の若奥様にクラッと来ちゃう方ならＯＫ。
２００５．２