(小池恵子/竹書房バンブーコミックス・1〜9巻)
佐藤ななこは夫・タクさんを力一杯大好きな新妻。
愛するタクさんのため、一人前の奥様になるべく、まっしぐらに主婦道を邁進中だ。
そんなななこの天然まっしぐらっぷりがたっぷりつまった、明るいホーム四コマ。
主婦の日常をテーマにした、四コマ作品です。
テーマは平凡、登場人物もレギュラーわずか3人というこじんまりとした感じの作品なのですが、ひとつひとつのネタが充実していることと、天然で元気なヒロイン・ななこのキャラクターのおかげで、まったく飽きずに読み進めることが出来ます。少ないキャラクターでアットホームさを貫いている作品構造には、快さと同時に、作者の巧さも感じられ、感心させられます。
ネタ的な面では、天然な、ななこのキャラに背負ったネタ(ななこの妄想癖ネタなど)と、生活に根ざしたネタを並行させ、キャラクターバランス的な面では、ボケ×ツッコミというリズムを無理に使わず、タクさん、薬師丸将というふたりのキャラをそれぞれ個性を持った「観察者」に仕立てることで、ひとりのヒロインを4つの角度で描いている部分が光りますね。
そのおかげでネタが充実して感じられ、「日常とはこんなに面白かったのか!」と再認識させてくれるような印象があります。
現在の四コマのトレンドからはずれている作品かもしれませんが、上質の「日常」を感じさせる王道のネタで読者を満足させる、ハイレベルな作品です。
2005.2