(得能正太郎/芳文社まんがタイムKRコミックス・1〜6巻)
「フェアリーズストーリー」のキャラクターデザイナー・八神コウに憧れてゲーム制作会社・イーグルジャンプに入社した涼風青葉。
運良く八神のチームに配属された青葉だが、ゲームづくりも会社勤めも分からないことだらけ。
それでも優しく個性的な先輩たちに励まされながら、ひとつずつオトナの階段(?)をのぼっていく。
ワーキングガールズの魅力がたっぷり詰まった四コマ作品。
女のコだらけのゲーム会社っっっ!
そんなシチュエーション、ありえねーだろ、うそっこだろ、ファンタジーだろ!
……と言ってはみても、こういうシチュエーション、やっぱりツボだったりするんですよね〜。
平均年齢40代の、肉体労働系なオッサンたちが屯する職場にいるので、なおさら女のコだらけの今風な職場に対する憧憬が強すぎるだけかもしれませんが(汗)。
そんなわけで、株式会社イーグルジャンプを舞台にしたこの作品。
どーみても中学生にしか見えない新入社員・涼風青葉ちゃんをヒロインに、社内の人間関係だったり、社内メールのエチケットだったり、呑み会だったり、初任給だったり、休日出勤だったりと、会社勤めにはつきもののネタをしっかり抑えつつ、だけど会社勤めにはつきもののドロドロ感は抜きにして、清く正しく愛らしくゲーム制作会社の日常を描いています。
新入社員の青葉ちゃんだけじゃなく、上司の八神さんにしても、先輩のはじめちゃんにしてもどこか初々しくて、そこがなんともほんわかさせてくれるポイント。
もちろんゲーム会社らしいディテールもしっかり抑えていて、楽しい雰囲気がたっぷり詰まった作品になっています。
ラベンダー色のツインテールと、中学生に間違われるベビーフェイスがトレードマーク。涼風青葉ちゃんが本編の主人公です。
コーヒーをブラックで飲もうとしたり、お酒にチャレンジしようとしたりするところは、いかにも背伸びしているお子さま、という感じ。
だけどその実は、キャラクターデザイナーになりたい! という一念で、高卒でゲーム制作会社に飛び込んできたがんばり屋さんなんですね〜。
個性的なキャラクターが揃う中で、ADのりん先輩ともども常識的な立ち位置にいる女のコ。だけどどこか世間知らずというか、天然なところがあって、ちょっと危なっかしくて……そこがまたいいんですよね〜。
う〜ん、こんな後輩がいたら、会社に行くのが絶対楽しくなりますよね♪
余談ですが、たまに出てくる髪を下ろした青葉ちゃんもまたかわいくてズギューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンと来ちゃうのですよ♪
いきなり大剣を振り回して登場するのが、黒髪ショートカットのトールガール・篠田はじめちゃん。
背も高いですが、胸の方も成長がよろしいようで、そのへんがボーイッシュなキャラと絶妙なバランス配分になってますね〜。
初めての後輩である青葉ちゃんの前でなんとか先輩らしく振る舞おうとする……そんなところが逆に初々しくて愛でたくなる、そんな女のコです。
いきなりおぱんつ姿で登場するのが、青葉ちゃんの上司であり、憧れのキャラクターデザイナー・八神コウ先輩。
いきなりおぱんつ、で分かる通りラフでさばさばした性格。そこが天才肌というか、芸術家肌、という感じしますね〜。
その一方で、上司としてどうチームをまとめていくか、青葉ちゃんを導いていくかにも腐心している、頼れるお姉さんなのです。
無口だけど、メールでは饒舌。ちょっとつかみどころがないのが黒髪ポニテの滝本ひふみ先輩。
ハリネズミを飼っていたり、初任給をコスプレに使っていたりと、私生活もやっぱりミステリアス。
そんなタイプだけに、ストレートに気持ちを表す青葉ちゃんに翻弄されつつも打ち解けてきて……そんな変化が実にかわいらしく見えてくるんですよね〜。
当サイトでは割と珍しい、会社を舞台にした作品ですが、中学生っぽいルックスの青葉ちゃんを筆頭にベビーフェイス揃いで、アダルトな雰囲気はまったくなし。堅苦しいムードもまったくなし。
部活ものの学園四コマのような感じで気楽に楽しめます。
ゲームづくりのディテールはそれなりなので、そちら方面にはあまり期待しないでください。
2014.3