（得能正太郎／芳文社まんがタイムＫＲコミックス・１〜６巻）
「フェアリーズストーリー」のキャラクターデザイナー・八神コウに憧れてゲーム制作会社・イーグルジャンプに入社した涼風青葉。
運良く八神のチームに配属された青葉だが、ゲームづくりも会社勤めも分からないことだらけ。
それでも優しく個性的な先輩たちに励まされながら、ひとつずつオトナの階段（？）をのぼっていく。
ワーキングガールズの魅力がたっぷり詰まった四コマ作品。
女のコが高卒でゲーム制作会社に入社して……という、社会人ものとしては定番の導入から始まる当作品。
そこから社会人になってすぐぶつかることを描いて読者の共感を誘い、ゲーム制作会社ならではのディテールを盛り込んで読者の好奇心を呼ぶ、これまた定番の構成になっていますが、説明的なセリフやモノローグを多用せず、キャラクターの行動でそれを説明しているところは手際よく感じられますね。なので、もったりした感じを受けず、女のコたちの会話や仕種を愛でながら作品世界に入って行ける、手慣れたスムーズさがあります。
ヒロインの青葉をはじめ、メイン６人サブひとりのキャラクターが出ていますが、萌え四コマ的なステレオタイプをうまく生かし、キャラクター提示に手間取っていないところも美点。もちろんそれぞれのキャラクターが魅力的であることは言うまでもありません。
四コマならではのリズムの良さを生かし、なめらかに読める作品で、それだけに何度も再読できるものに仕上がっています。
２０１４．３