(寿らいむ/芳文社まんがタイムコミックス・1巻〜)
とある王国、とあるお城に、クリス王子、アリア姫、ふたりの兄妹が暮らしていました。
が、アリア姫はクールだし、メイドのルーは玉の輿を狙っているし、許嫁のセーラ姫は熊だし、王様は浮気者だしで、王子のまわりは騒動がいっぱい。さらに、王の命を狙う殺し屋も現れて・・・
多彩なキャラクターがお城を舞台に騒動を巻き起こす、ロイヤルコメディ四コマ。
待ってました!
寿らいむさん、4年半ぶりの復活は今までの少女系ファンタジーではなく、王家を舞台にした4コママンガでの登場。
王家を舞台にした作品らしく、セレブでロイヤルでノーブルでラグジュアリーな雰囲気が漂う・・・なんてことは全くなく、あいかわらずのかわいいキャラとテンポのよさが楽しめる作品です。
四コマのスタイルを取っていますが、ノリのいいファンタジーコメディ、というスタンスは以前と全く変わらず。四コマの起承転結リズムをうまく使いつつ、多彩なキャラのすっとぼけたかけあいを存分に楽しめる作品になっています。
もちろん黒髪メイドのルー、ブラック系妹姫・アリアに魔女っ子チェルシーと、美少女キャラもてんこ盛りで、萌えどころに欠くことは全然なし。
四コマというより、テンポのいい萌えコメと言いたくなる作品です。
多彩なキャラが登場し、萌えどころには欠かない作品ですが、まずは黒髪メイド、ルーからピックアップ。
黒髪メイド=清楚、という原則などドライブシュートで星霜の彼方へと蹴っ飛ばすハイテンションキャラです。
玉の輿を狙い、ナイスバディを武器に、直球で王子を射止めにかかる正直さがいいですね。王子のためなら熊と戦い、無人島でサバイバルし、雪山に挑んで見せるタフさが笑いどころになっている感じで、この辺もナイス。
年齢不詳というか、かなりの年増っぽいですが、その辺はつっこまないことにしましょう。
年増は嫌だ。ナイスバディには興味ない、というアナタには縦ロール妹姫アリアちゃんをオススメ。
かわいくもクールで、ひそかに兄を窮地に追い込んで見せる、小さな黒幕的なところがかわいらしく見える、そんなキャラです。
1巻の後半から登場は、魔法少女のチェルシーちゃん。ガイ君命! な乙女っぷりがかわいいですね。その乙女っぷりに魔法のエッセンスが加われば、暴走するのは自明の理。2巻以降を盛り上げてくれそうな、期待の美少女です。
キャラクターコメディと四コマを足して2で割ったような作品ですね。作者が少女マンガ出身ということで、オチの弱さ、画面の煩さといった点は目につきますが、マイナスポイントとするほどではなく、絵柄と雰囲気、ノリで気軽に楽しめます。
男性でも比較的気軽に手に取れる寿作品ということでも注目したい作品ですね。
2005.6