(寿らいむ/芳文社まんがタイムコミックス・1巻〜)
とある王国、とあるお城に、クリス王子、アリア姫、ふたりの兄妹が暮らしていました。
が、アリア姫はクールだし、メイドのルーは玉の輿を狙っているし、許嫁のセーラ姫は熊だし、王様は浮気者だしで、王子のまわりは騒動がいっぱい。さらに、王の命を狙う殺し屋も現れて・・・
多彩なキャラクターがお城を舞台に騒動を巻き起こす、ロイヤルコメディ四コマ。
少女誌、少年誌、同人系アンソロジーと、ジャンルを選ばず活躍する寿らいむさん久々の単行本です。
四コマの体裁を取っていますが、昨今のかわいい系四コマのトレンドに倣って、いくつかのネタでひとつのストーリーを構成するスタイルになっています。もともと「りぼん」誌などで非四コマの作品を書いていた寿さんだけに、全体の流れもスムーズにまとまっていますね。かつ、ストーリーのために繋ぎに使われるような無駄なネタがほとんどなく、きちんとオチがつけられているところには好感がもてます。
全体的にテンションが高く、とぼけたネタと、派手なツッコミを合わせたスタイルは高橋留美子さんあたりの少年マンガのテイストが感じられ、四コマにあまり親しんでいない読者でも受け入れやすそうな仕上がり。
舞台設定は王家ということになっていますが、あまりディテールにこだわったネタはなく、メイドやボディーガードは出て来ますが、全体的にはホームコメディの延長のような形で親しめます。
2005.6