(田中メカ/白泉社花とゆめコミックス・全4巻)
弱小芸能事務所「ドッグラン」を営む父・欽一と暮らす高校生、乾貫二の前に現れたのは、子猿を連れた活発少女、桃野珠子。
実は彼女、「ドッグラン」の看板アイドル、桃野真珠の隠し子で、母を追って山を下りて来たのだった。
貫二とは十年来の再会になるという珠子は、貫二と一つ屋根の下で暮らす事に。
「貫ちゃんのヨメになる!」とアタックをかける珠子の想いは届くのか?
芸能界もの兼押しかけ幼な妻もの。そんな感じのなかなかキャッチーでテンション高い作品です。
ま、はっきり言っちゃうとこの作品の魅力ってやっぱり珠子ちゃんに尽きちゃうんですよねー。
しかし珠子ちゃんの紹介は後段にとっておくとしまして、他にも雷蔵、欽ちゃん、真珠さんらおばかな脇役陣が作品のテンションを無駄に高め、効果的なモノローグで雰囲気を高め、線の細いふわふわした絵柄には萌え心を刺激され、という感じで、珠子ちゃんをフォローする諸要素もきっちりしっかり。
かわいい珠子ちゃんをしっかり堪能させてくれる「ワキ」がうれしい、ムードたっぷりのうれしはずかしコメディです。
ばきゅーん♪
それでは満を持して!ヒロイン、桃野珠子ちゃんの紹介に突入しましょう!
きらきらすべすべ、まさにタイトル通りのパールピンクが似合いそうな天然美少女。ボーイッシュなショートカットも、成長途上の胸も、樹上を活動領域とする活発さも、私のような「その方面」の方にはツボ、もうツボ。
ボーイッシュな子猿少女?と思わせておいて、甘えたさんな表情にはぶかぶかの洋服もひらひらのドレスもお似合い。これにはいちころですよね〜♪
95ページの「えとっ」っていう珠子ちゃんなんか、もう家宝に決定。細い脚からアホ毛の一本まで、全身がきらきら輝く年下萌えにダイレクトなヒロインです。
なにげにパーフェクトな好青年、乾貫二くんが当作品における白馬の王子さま。
しかしメイクのことになるとムキになったり、なにげに誰にも勝ててなかったりと、どこか憎めないキャラクターなんですよね〜。美青年のはずなんですが、顔は崩れっぱなしだし、周囲のキャラには苦労かけられっぱなしだし。パーフェクトだけど、男性読者にも好感のもてる、そんなヒーローです。
あっからかんとした菱川雷蔵くんも別の意味でおいしいキャラクター。お調子者だけど、どこか一途で真面目なとこを垣間見せて。気になるキャラクターです。
珠子ちゃんのお母さん・桃野真珠さんと、貫二くんのお父さん・乾欽一さんのバカ大人コンビもナイス。欽一さんの女装、真珠さんの怒りの表情。どちらもギャグパートで絶大なインパクトを発揮してくれますが、インパクト発揮しすぎて夢でうなされそうなほどの迫力があります。こういう大人の出てくるコメディって、楽しいですよね。
ちょっとテンション高めの正統派少女コメディ。なので、珠子に感情移入して楽しむのが正道、珠子に萌え萌えして楽しむのが裏道。どちらにしても活発な珠子のキャラクターをどれだけ楽しめるか、という感じになりますね。
2002.12