Q.E.D.

(加藤元浩/講談社コミックス月マガ・全50巻)

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Story

スポーツ万能の女子高生・水原可奈は、ゲームセンターの格闘ゲームで同級生・燈馬想が100人抜きを達成した瞬間に出会う。それをきっかけでふたりは、ひょんなことから同級生・有田紀子の父親が殺害された事件に関わることに。
MITを14歳で卒業した天才少年と、運動神経なら天下無双の女子高生のコンビが、さまざまな難事件の真相に迫る!!

Impression

最初は「MIT出の天才少年〜?パズルのピースが云々〜?どっかで聞いたせりふばっかやな〜」と醒めた感じで読んでいたんですが。
んー。
ポニーテールがかわいい元気少女、可奈ちゃんの魅力に引きずられるままに、ずるずると読んでしまいました。わはは。
謎にしても大掛かりなトリックは少なく、ロジックパズルが多いので、個人的にはかなり好み。燈馬がQ.E.D.の文字を綴ってからの解決編、ドミノがぱたぱたと倒れて行くように軽快に真相が開かされるシーンは、なかなか快感です。
語られる謎は密室殺人だったり、フーダニットだったり、「日常の謎」だっり、バラエティ豊富なので、続けて読んでも飽きがこないところもいいですね。
絵柄同様、かっちりとした感じがして読みやすい、好作品です。

Kana Mizuhara

後先考えない行動、瞬速で飛ぶ鉄拳、有無を言わさない物腰、周囲を振りまわすタイプの魅力的なキャラクターが可奈ちゃんです。
黙ってるとちょっと大人っぽい感じの美少女なんですけどねー。ま、活発なところが可奈ちゃんの魅力ですし、よしとしましょう。
いわゆるワトソン型のキャラクターなんですが、とにかくその行動力と笑顔で読者を楽しませてくれます。おまけに少年誌らしくサービスシーンも多いですし・・・(笑)

Charactor

ホームズ役が主人公の燈馬想。基本的に動かずに推理する、アームチェア型に近い探偵です。いつも他人の二歩も三歩も先を動く感じで、クール。論理的に謎を解きながら犯人を追い詰めて行く澄んだ瞳が童顔とミスマッチで、魅力的ですね。
なのに可奈ちゃんにはどこか振りまわされる感じで・・・
そんなキャラクターバランスがこの作品の最高の牽引力になっているんですけどね。
想・可奈コンビ以外にレギュラーキャラクターはいないんですが、ゲストではMITの秀才コンビ、ロキエバがいい感じかな。燈馬とロキもなかなかいいコンビですよね。
そのほか、ゲストキャラには黒髪ショートカットの女のコがいろいろ出て来て・・・う〜ん、目移りしちゃいますねぇ。

Guide

推理ものの常として、好みは分かれてしまうような気がします。謎ときは明快なロジックでわかりやすいのですが、理詰めの作品が苦手な人には
難しいかな、というものも多いですね。
ただ、キャラクターが少なく、バランスがシンプルなわりには楽しめる感じで、燈馬と可奈のふたりを追って行くだけでもかなり楽しめます。
50巻以降は「Q.E.D.-iff」という新タイトルになっていますが、キャラも構成も全く変わっておらず、同じように楽しめます。

2000.9
2017.10