(加藤元浩/講談社コミックス月マガ・全50巻)
スポーツ万能の女子高生・水原可奈は、ゲームセンターの格闘ゲームで同級生・燈馬想が100人抜きを達成した瞬間に出会う。それをきっかけでふたりは、ひょんなことから同級生・有田紀子の父親が殺害された事件に関わることに。
MITを14歳で卒業した天才少年と、運動神経なら天下無双の女子高生のコンビが、さまざまな難事件の真相に迫る!!
ロジックをメインとしたミステリーコミックです。
理系探偵という主人公は森博嗣さんのミステリィを髣髴させますし、ストーリー展開もオーソドックスですが、奇をてらわずに進むその姿勢が、読みやすさとなって読者に伝わってくる、そんな作品です。
好感が持てるポイントとしてあげたいのは、レギュラーキャラクターを想と可奈のふたりにしぼっている点。あくまで「謎」中心にストーリーをみせようという作者の姿勢が伝わってくるような気がします。
しかし、かといって単調な作品ではなく、ふたりの掛け合いが絶妙なリズム感を生み出していますし、解決は鮮やか。するするっと読めて、すとんと落ちる、?と!がうまく転回するリズミカルな作品になっています。期待しただけのものがきちんと手の中に帰ってくる、そんな作品です。
2000.9