(高橋しん/小学館ビッグコミックス・全7巻)
この作品は 鉄 屋 さんのご紹介を頂きました。
北海道。
元陸上部で、口下手なシュウジと、のろまで気弱なちせは、ぎこちないながらも彼氏と彼女として付き合っていた。
しかし札幌に空襲があった日、シュウジは驚愕すべき事実を知ってしまう。
ちせは人工の体を持ち、天空を駆けて敵機を討ち落とす「最終兵器」になってしまっていたのだ。
はうぅ・・・ちせちゃんがかあいいよう〜
てな感じで読んでたら丸井今井の上空でドンパチが始まっちゃうわ、そのくせあっという間にほえほえ〜な雰囲気になっちゃうわ、なかなかめまぐるしくも楽しい作品です。
そしてぐいぐいと切なさの方向へ強力に読者を引っ張るストーリーの魅力。読んでいて「濃ゆい〜」という感じはしないんですが、それでいてしっかりとした手ごたえを読者に残してくれる、「いいマンガ」の見本みたいな作品です。
ちせがボケ、シュウジがツッコミという感じで、全体にとぼけた雰囲気でストーリーが進み、作品のテーマの割に重さを感じないのも好感ポイント。
ちせの愛らしさにときめきながら、心臓をバクバクさせて読みたい作品です。
かあいいのに、ちっちゃいのに最終兵器。
とろとろなのに、ほえほえなのに最終兵器。
黒髪なのに、ショートカットなのに、胸がないのに最終兵器。
黒髪ショートフリークに贈られた、今世紀最後の天使・ちせちゃんです。
いつもうるうるしてるちっちゃな瞳がかあいいですね。うん。地味めの制服も似合っていて・・・はああ・・・いぃですねぇ。
ちっちゃくて、引っ込み思案で、表情がころころ変わるタイプじゃないんですけど、ほんのわずかな表情の変化が見逃せなくて、「守ってあげたい!」って気持ちがふつふつと湧き上がってきちゃいます。
そしてそんなわずかな表情の奥から、兵器となってしまった悲しみや苦悩がにじみ出して来て、見るものを切ない気持ちにさせてくれるところがまた、いいです。
まずはシュウジ。眼鏡で、ちょっとキツイ感じで、口下手で・・・あと5年くらいするといいマ○アに育ってくれそうなキャラクターですね。
ってそれは冗談ですが、恋もうまく出来ないような純朴さとちせを思う気持ちのストレートさが伝わって来て、シンクロしやすい、なかなか好感持てるキャラクターです。
黒髪ショートフリークとしては、アケミとサトミの姉妹もなかなか気になるところ。ほんのちょい役だけど、雰囲気が良くて気になります気になります。
1巻はほとんどちせとシュウジのストーリーで終わってますが、2巻からはふゆみ先輩という女性も出てくるようですし、キャラクター面は今後に期待ですね。
う〜ん。
なんか久々に青年誌らしい作品を紹介してますね〜(笑)
てなわけで、動きの少ないコマ割り、モノローグや短く区切られたフレーズの多い展開、青年誌らしいフォーマットがバリバリの作品です。
なのでちょっと女性にはとっつきにくい作品かな〜という気も。
突拍子もない展開や説明の少ない現象などもけっこうありますが、作者が作品トータルでの構想を作り上げているようなので、その伏線なのでしょう。というか、その辺を気にするのは野暮というもの。
まずはシチュエーションとちせちゃんのかわいさにのめり込み、細かいことを気にせずにストーリーを追って行くのが正解だと思います。
2000.6