(湖西晶/芳文社まんがタイムKRコミックス・全4巻)
美少女マンガ家・梅ゆかり。本名は三縞ゆかり、19歳。
良家のお嬢様でありながら勘当同然に家を追い出され、今はひとり暮らし。〆切に追われ、貧乏に終われる日々。
だけどオタクライフと食事はしっかり満喫。貧乏でも時間がなくてもおいしいものが食べられる、ゆかりのジャンク料理スキルをとくとご覧あれ。
冷凍うどん(別名触手タブレット)で釜玉うどん!
カップ焼きそばの三段階アレンジ!
海苔茶漬けにはチューブわさびとスライスチーズをのっけてパンチとヴォリュームをアップ!
どうです? 食べたくなるでしょう?
深夜3時31分の食欲を加速させる、ジャンクでリーズナブルで、だけどシズル感たっぷりの四コマが登場です。
ヒロイン・ゆかりは〆切に追われる美少女マンガ家、ひとり暮らし。いつも食生活は金銭的にも、時間的にも、カツカツ。
それでも食べたい美味しいご飯!
ということで、ひとり暮らしでも手軽に楽しめる料理が次から次へと繰り出されるこの作品。とにかく読み終えたら、とりあえずキッチンに立ちたくなる、食欲刺激度満点の作品なのですよね〜。
もちろん食べたくなるだけじゃなく、ヒロイン・ゆかりに、妹・かおり、編集の瀬戸さんと、「きらら」らしく魅力的な美少女が満載。
さらにフィギアの姫騎士とオーク男爵のちょいエロコメディがいい彩りになっていて、なんともごちそうさん、美味しい萌え四コマに仕上がっています。
とくにひとり暮らしや元・ひとり暮らしには共感度の高い作品。これは文句なし、読んで満腹のオススメ作品です!
ペンネーム・梅ゆかり、本名・三縞ゆかり。職業エロマンガ家。
名門女子高の優等生だったはずが、どこかで人生を踏み外し、親から勘当同然のひとり暮らし。19歳。
生活力がありすぎるとゆーか、職業がアレすぎるとゆーか、かあるいは女子力が残念すぎるとゆーか。年齢より大人びて見えるヒロインですね。
こないだまでお嬢様だったとは思えないほどの料理スキル、生活力の高さがなんといってもゆかりさんのセールスポイント。深夜のカップ焼きそばをゴージャスに、あるいは冷めた肉まんを意外な方法で復活させたり、バリエーション豊かなサンドイッチを量産したりと、次から次へとおいしそうでかつリーズナブルな〆切ごはんを連発してくれるのです。
女子力の低さと、オタク度の高さも、親近感に繋がると思えば問題なし。むしろ料理も出来て、エロマンガも描ける、まさにヨメにしたくなるほどのハイスペックヒロイン、なのです。
ゆかりの担当編集者が諸岩舎の瀬戸文さん。
いや「瀬戸さん」じゃなく、「文ちゃん」と呼びたくなるような、黒髪! リボン! ベビーフェイス! の女のコなのです。
エロマンガの編集者にあるまじき清純乙女っぷりと、しょっちゅう半泣きになるドジっ娘っぷりにそそられますね! それだけでごはん3杯は軽く行けちゃいます。
ゆかりの妹が三縞かおりちゃん。お嬢様女子高に通う箱入り娘です。その反動で自由とジャンクフードに憧れるお年頃。年相応の元気さと、お姉ちゃん想いのしっかり者、という一面を兼ね備えた、手許に置いておきたいタイプの妹キャラです。
登場「人」物ではなくて登場“物”ですが、フィギュアの姫騎士はちょっとHな小ネタでいい味出してるキャラクター。同じくフィギュアのオーク男爵とのかけあいは、この作品のいいスパイスです。
とにかく食欲を刺激される、それも特に夜中の食欲を刺激されるマンガ。有名グルメ店(というか店の実名は全く出てきません)や高級食材などまったく出てくることなく、それだけに気軽に試してみたくなる料理が揃っている、実に挑発的なマンガです。
「きらら」系の萌え四コマとしては、萌え度は低め。料理がどれだけおいしそうかという角度で攻めてきますので、意外と読み手を選ぶ作品かもしれません。
2014.11