（湖西晶／芳文社まんがタイムＫＲコミックス・全４巻）
美少女マンガ家・梅ゆかり。本名は三縞ゆかり、１９歳。
良家のお嬢様でありながら勘当同然に家を追い出され、今はひとり暮らし。〆切に追われ、貧乏に終われる日々。
だけどオタクライフと食事はしっかり満喫。貧乏でも時間がなくてもおいしいものが食べられる、ゆかりのジャンク料理スキルをとくとご覧あれ。
「かみさまのいうとおり！」に続く湖西晶さんの新作は、美少女マンガ家をヒロインに据えたひとりメシマンガ。一気にカラーを変えてきたなぁ、というのが第一印象でした。
さて、この作品の魅力をひとことで表すなら「説得力」。
ひとり暮らし、美少女マンガ、オタク趣味、といったキーワードは掲載誌の読者にズバリヒットするもの。
出てくる料理もスーパーで買える食材や、コンビニで手に入る商品がほとんどで、自炊派の読者なら「一度試してみよう」と思えるような身近なものばかり。それどころか、台所に立たない読者であっても「これなら……」と思えるようなレシピも取り揃えられていて、それがヒロインのプロフィールと相まって、身近で説得力のあるものになっています。
このテのマンガですと、セリフが説明的になったり、テキストが多くなったりしますが、四コマならではのリズムの良さと、オタク趣味を中心とした食事以外のネタの展開でそれを緩和。
Ｈな小ネタもアクセントになって、楽しい一冊に仕上がっています。
２０１４．１１