鉄道むすめ

(MATSUDA98・明科実祐・トミーテック/アスキー・メディアワークス電撃コミックス)

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Story

千葉・銚子電鉄、岩手・三陸鉄道、広島・広島電鉄。
それぞれの地域に根ざしたローカル私鉄を舞台に、そこで働く女の子の多彩な表情とプロ根性、そして地域の人情を描いた連作。

Impression

「立体には手を出さない!」というのが、長年、私のポリシーだったわけなんですが。
すいません。
実は「鉄道むすめ」のフィギュアだけは節を曲げて買ってたりします。
だってこれ反則ですよ!?
「てつ」の血と「萌え」の血がコラボしながら沸騰しちゃいますよ!?
さらに某氏宅で「脱がないゲームに用はないッ!」と豪語した私が、「鉄むす」のゲームは買っちゃいましたよ。
しかも、DSの本体ごと買うという清水の舞台っぷりを見せて。
その「鉄道むすめ」がコミック化という報せを聞いては、黙ってられるわけがありません。
しかも作画は「ほのかLv.アップ!」のMATSUDA98さんと来れば、これはまさにこの地上で考えうる限り、最上級のコラボレーション。
直流1500Vの衝撃が全身を駆けめぐり、時速130km(制御振子機能付)の速さで書店の平台にダイブしましたですよ!
中身の方も期待通り。
銚子電鉄のほえほえ娘・外川つくしちゃん、三陸鉄道のいたずらっ娘・久慈ありすちゃん、広島電鉄のがんばり屋さん・鷹野みゆきちゃん、登場する三人の女のコはいずれもかわいさ最上級。制服姿がまた、仕事に真剣に向き合う、プロフェッショナルの魅力と、愛らしさを引き立たせてくれて……実にいいのですよね〜♪
現地取材に裏打ちされたストーリーと、鉄道ファンもなっとくの車輛描写が臨場感を盛り上げてくれて、実にナイス。
めっちゃくちゃかわいくて、萌え萌えな絵柄でありながら、二次元の枠に収まらない手応えを感じさせる作品になっています。
そして本を読み終えた瞬間、銚子へ、久慈へ、広島へ、旅立ちたくなってしまうんですよね〜♪

Charactor

本作品に出てくる3人のむすめさん、しっかり紹介させていただきますよ〜♪
トップバッターは千葉県の銚子電鉄駅務係の外川つくしちゃん。
ほわ〜んとした笑顔の天然むすめさん。その菜の花のような可憐で明るい笑顔を見ただけで、ほこっと癒されちゃいますね〜。
観光案内も出来れば、銚子電鉄名物のぬれせんだって焼けちゃうマルチパーパスなむすめさんなんですが、ひたすらマイペースで、おっとり。
でも、そのおっとりさの中に隠された芯の強さと誠実さというのがあって、読み進めるごとにつくしちゃんのとりこになってしまいます♪
お次は私の地元・岩手県三陸鉄道の運転士、久慈ありすちゃん。
腰まで届くロングヘアーがトレードマークの、表情がころころ変わって、そこが魅力的な元気むすめです♪
三陸鉄道編の前編は、完全にありすちゃんのペースで進んじゃって、そこがどきどきする要素になっているんですね〜。
しかしかわいいだけじゃなく、男性と同じように300馬力のディーゼルカーを駆るタフさと、郷里を愛する気持ちがぎゅっと詰まった女のコ。
岩手のむすめさんらしい、懐の深さを持ったむすめさんなのです。
トリを飾るのは広島市を走る路面電車、広島電鉄の運転士、鷹野みゆきちゃん。
黒髪のちっちゃい女のコです。ちなみに熊本の熊本電気鉄道には、黒髪町という駅があるんですね〜。
余談はさておきまして、みゆきちゃんは路面電車のようにちっちゃくて、でも細かいとこにまで気が利く女のコ。そして、しっかり成長し続けているがんばり屋さんなのです。
ちみっちゃかわいい上目づかいと、オトナっぽい黒の制服が絶妙にミスマッチで、そこがかわいいんですよね〜♪
100万都市を駆けめぐるちっちゃなむすめさん。これはもう、カープのように真紅の血をたぎらせて、しゃもじを打ち鳴らしながら萌えずにはいられませんね〜(笑)。

Guide

萌え度抜群のジャケット、キャラクター中心のストーリー。
完全無欠に萌え狙いの作品ですが、現実の鉄道を舞台にしているだけに、独特の説得力というか、存在感のある作品ですね。
ぶっちゃけ、「萌え」にも「てつ」にも興味のない人にはついてけない作品だと思いますが、どちらかに興味のある方ならしっかりついて行ける作品だと思います。
同フィギュアからの派生作品は他に、ライトノベルやゲームも出ているので、興味を持った方はそちらもチェック。

2009.5