(高雄右京/メディアワークス電撃コミックスEX・全3巻)
神岸あかりは幼なじみの同級生・藤田浩之が気になって何かと世話を焼いているが、自分の思いはなかなか浩之に伝わらない。しかし、メイドアンドロイドのマルチや、オカルト研究会に所属する不思議な先輩・来栖川芹香らと知り合っていくうちに、浩之のよさをみんな分かってくれるようになる。それは嬉しい反面、ちょっと切ない気分をあかりに味わわせるものだった・・・
同名ゲームのコミック化作品。
まぁ、ゲームの登場人物がわーっと出てきて、小ネタかまして終わりなんだろうな、という感じで気軽に読み始めたんですが、なかなか楽しめました。
あかりちゃんを筆頭に、マルチ、来栖川先輩、レミィ、葵ちゃん、志保ちゃん、琴音ちゃん、理緒ちゃん、智子ちゃんとかわいい女のコがわんさか。
それぞれのキャラクターを中心としたエピソードが一話完結形式で描かれているんですが、毎回のゲストとなる女のコはもちろん、ダブルメインのあかり、浩之の心情もしっかり描きこまれていて、なかなか読み応えの作品になっています。
タレ目、ツリ目がかなりくっきり分かれた絵柄なので、好みが別れる点もありますが、表情で心情を読ませる、という点では効果大。他のエピソードで出てきたキャラも出しゃばらない感じでストーリーに絡んでくるのもぐぅ。これがうるさ過ぎない、微妙なにぎやかさを演出してくれています。
うーん。
この本を手に取る前は「ToHeart」はどういう情報経路だかマルチと琴音ちゃんくらいしか知らなかったんですけどね〜
・・・っつーか、ジャケットのデザインが気になって要するに「ジャケ買い」しただけのハナシだったりするんですが・・・
ぱらぱらっとめくって一気にあかりちゃんに魅かれてしまいました。あはは。
浩之を思う一途な気持ちが○なら、それがみんなにばればれなあたりが◎でいいんですねー。応援してあげたくなっちゃいます。
表情豊かで、静かな微笑みやちょっとはにかんだような顔が愛らしくて、なーんかシンクロ出来ちゃうんですよね。
出番は少ないけど、姫川琴音ちゃん、かわいいですねー。エピソード自体は「ToHeart」の中では異色かな〜という感じですが、流れるストーリーにてごたえがあって、「琴音ちゃん、がんばれ」って気持ちになっちゃいます。
来栖川芹香先輩も「いい味出してるなー」という感じでいいですね。私もあたまなでなでされてみたいですー。
雛山理緒ちゃんはあかりちゃんとキャラがかぶるかな・・・という気がしないでもないけど、かぁいいから許す!って感じですね。うさぎみたいな前髪がキュート。健気な感じが胸にぎゅーーんと突き刺さってくる感じですね。
もちろん他の女のコたちも個性豊かで、一生懸命生きていて、いいのですよ。
あかり。浩之。そして各話に登場するゲストの女の子。それぞれのキャラクターがしっかり描かれているので、どのキャラクターを追いかけても楽しめる、「一冊で三度おいしい」本になっています。
浩之ベースで読むと少年誌系のラブコメ、あかりベースで読むと少女マンガっぽいラブストーリー、という感じかな。なので、男性女性いずれでも楽しめるのでは、と思います。
ストーリー的には明確なつながりがないので、ジャケットを見て、気に入った女のコが出てくる巻から入るのもテかもしれません。
2000.5