(原悠衣/芳文社FUZコミックス・1巻〜)
真面目でガリ勉、そして中二病気味の中学生・航一の学校に転校してきたのは、かわいらしくグラマーな少女・湊紫麻。
彼女は航一がその朝夢で見た、不思議な衣装をした美少女その人だった。
初対面なのに距離感0でぐいぐい迫って来る天真爛漫な紫麻に戸惑う航一。そして紫麻は誰もいない図書室で航一に告げる。
「私と契約してほしい」と。
扉を開いて1ページ目、花散るベンチで寄り添うように座るふたり、真っ白なとんがり帽子にピンクゴールドの髪の美少女と、学ラン眼鏡黒髪の地味な少年の好コントラスト。
そこから始まる物語はとにかくヴィジュアルが鮮やかで、文字通り目を奪われてしまいます。
鮮やかに色を変える夜の学校、魔法で花を咲かせる少女、満月に浮かんだリラちゃんのシルエット。そのひとつひとつがファンタジックでフォトジェニックで、目を奪われちゃうんですよね〜。
そして目を奪われると言えば、紫麻ちゃん(リラちゃん)の表情もまた破壊力抜群。
第1話トビラの目を閉じたリラちゃんの横顔、第2話トビラの寝起きなリラちゃん、第3話トビラのソファで寝転がる紫麻ちゃん、etc.etc.、その極上のヴィジュアルに、とびっきりの表情に触れるだけで胸のときめきを抑えられなくなってしまいます。
もちろん美点は見た目だけじゃなく。
ストーリーはオーソドックスでストレスフリーながら、天然で世間知らずな紫麻ちゃんに航一くんがテンポよくツッコミを入れるリズムが心地よく、まったく弛むことなくぐいぐい進むストーリーに、心地よさを覚えながらライドしてしまえるのです。
なんとも楽しくキュートで、そして夢中になれるムーンライトファンタジー、開幕です。
本編のヒロインが、ピンクゴールドの髪にセーラー服が似合う女子中学生、湊紫麻ちゃん。そしてその正体は魔女たちの住む街・アルストロメリアから留学してきたとんがり帽子が良く似合う女のコ、リラちゃんなのです。いつもニコニコしていて雰囲気もふわっふわしていてなんとも柔らかい雰囲気が癒し感満点ですね〜。さらに食べることが大好きで、いろいろと成長がよろしいあたりもふわっふわ感満点で、もう紫麻ちゃんに、リラちゃんに、骨の髄までくたくたのふにゃふにゃに癒されてしまいたいッッッッッ! と思ってしまうのです。
魔女の街にはパーソナルスペースなんて言葉はないらしく、誰にでもぐいぐい距離を詰めてくるフレンドリーさ1000%の女のコ。さらに天真爛漫で好奇心旺盛、いろんなものに興味をもって心の赴くままにノータイムで行動しちゃうもんだから、危なっかしくてほっとけない、そんなところもチャームポイントだったり。
そんな紫麻ちゃんが唯一出来る魔法が、何もないところから花を出せる魔法、というあたりも彼女にぴったり。
満月に咲く花のように、ちょっとミステリアスで華やかで、柔らかくていい匂いがしてきそうな、そんな美少女です。
紫麻ちゃんの契約者にしてこの物語の語り手役となるのが帆高航一少年。契約者よりも相方というほうが合ってるような気がしないでもないですが。
「将来成功することでリア充どもを見下す」というモチベーションで勉学まっしぐら、異性になど興味なし、という今どき珍しいカタブツ少年。……まぁ、女のコに興味がないと言っている割には巨乳好きという性癖を友人の海老まんに見抜かれちゃったりしてるんですが。
そんなマジメ少年の航一くんだけに、自由人の紫麻ちゃんとは好コントラスト。そして危なっかしい紫麻ちゃんを相手に次から次へと切れのいいツッコミを繰り出しつつ、フォローすべきところではしっかりフォローする男らしい優しさが好感ポイントですね。
そのお姉ちゃんが黒髪JKの帆高まりもちゃん。恋に恋する女のコ……というよりは恋バナに飢えてるJKで、なんだかワイドショーで芸能人のスキャンダルを好んで見てるおばちゃんに近いオーラを感じますね。紫麻ちゃんとはまた別ベクトルで大らかな女のコで、弟の航一くんとは好対照です。
紫麻ちゃんと同じくアルストロメリアからやってきた魔女っ娘が犬耳(?)がチャームポイントの七海梅子ちゃん。紫麻ちゃんと同じく元気でフレンドリーで、仔犬のように人なつっこい女のコで、紫麻ちゃんとはまた別ベクトルで癒しの波動を放ってます。クールな相方・瀬戸内なぎちゃんといいコンビになっていますね。
2023.11