(原悠衣/芳文社FUZコミックス・1巻〜)
真面目でガリ勉、そして中二病気味の中学生・航一の学校に転校してきたのは、かわいらしくグラマーな少女・湊紫麻。
彼女は航一がその朝夢で見た、不思議な衣装をした美少女その人だった。
初対面なのに距離感0でぐいぐい迫って来る天真爛漫な紫麻に戸惑う航一。そして紫麻は誰もいない図書室で航一に告げる。
「私と契約してほしい」と。
「きんいろモザイク」をヒットさせた原悠衣さんの新作は、学園を舞台とした魔女っ子もの。
天真爛漫でかわいらしいヒロインを前面に出した構成は前作同様ですが、四コマからコマ割りのマンガに体裁が代わり、基本的に女のコだけで賑やかなメンバーによる日常系だったのが、少年を語り手に据えたファンタジックなボーイ・ミーツ・ガールに、と、前作読者のイメージに応えつつも、新しさをしっかり示した作品になりました。
少年の家に突然異世界から押しかけて来た少女という少年マンガの定番的シチュエーション、航一がいちいちツッコミ役に回る快活なかけあいと、少年マンガのような気っ風の良さがリズムよくストーリーを引っ張る一方、魔女というキャラクターを据え、華やかなヴィジュアルで目を惹きつけるところは少女マンガ的な魅力がありますね。
シチュエーションに目新しさはありませんが、キャラクターの魅力とテンポのいいストーリー運びで読者の目をそらさせない好作品です。
2023.11