ゼロイン

(いのうえ空/角川書店角川コミックスドラゴンJr.・全12巻)

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Story

叩き上げの刑事を父に、エリート警察官を兄に持つヘタレ少年・白石光は、銀行強盗に遭遇したピンチと、父を逆恨みした男に家宅侵入されたピンチを、ともに同級生の美少女・爲妹(なずめ)みくるに救われる。
彼女は、凶悪犯罪の増加に対処するために警察活動の一部を委嘱された民間機動警察隊、通称「民警」の敏腕エージェントだったのだ。
家宅侵入事件で妹・渉菜を守れなかった光は、自分を鍛え、愛する家族を守るために民警の短期訓練に参加する。彼はそこで、過去のトラウマから、敵の急所を撃てないという弱点を鍛え直すためにやって来たみくると出会う。

Impression

久しぶりに来ました、弾丸飛び交うハイスピード・アクション。黒髪ヒロイン・みくるちゃんの活躍も鮮やかな「ゼロイン」の紹介です。
とにかくガンアクションが毎回満開、なぜかこちらも毎回忘れずに炸裂するチチとフトモモとパンチラも全開。みくるちゃんの「はちゃちゃ」「無力化します」「状況終了」、祁雫ちゃんの「厄日やのォ」、光の「お前なんかコワくないぞ!!」キメゼリフも過剰に装備して、オトコノコの魂をざわめかせてくれる、きっちり楽しいハイテンションな作品です。
もちろんその作品を支えるのは抜群のスピードとガンテクニックを誇る「ゼロ使い」のみくるちゃんと、ヘタレながらもたくましく生きようとする光、ふたりのメインキャラクター。凄腕のエージェントでありながら、過去の事件がトラウマとなって、急所に照準を合わせることが出来ないみくるちゃん、優秀な警察官である父と兄の存在がコンプレックスになっている光、ふたりが現在を乗り越えてより強くなろうとする姿がきっちりとしたバックボーンになっていて、アクションの裏に十分な手応えを加えています。
そこにみくるちゃんのライバル・祁雫ちゃんも加わって、「ジオブリーダーズ」や「ダーティ・ペア」を思わせるキャラクターコメディ的な要素も備わっており、とにかく、萌えて燃えるアクションという感じになっています。

Mikuru Nazume

黒髪vs妹vs和装。魅力的な女のコがそろっている作品なのですが、ここはやっぱり本作のヒロイン、黒髪女子高生・爲妹みくるちゃんをプッシュです。
かっこいい×かわいい=最強。民警パートでは銃撃戦、肉弾戦、どちらも問わないスーパーヒロインぶりを発揮し、鷹のような目つきで凶悪な犯罪者を無力化したかと思えば、学園パートでは豊かな胸を制服に包み、ぷにっとした笑顔のかわいい女のコとして読者を悩殺。シナチク&ネギ抜き中華そばを注文する「それ美味いんか?」的偏食っぷりが妙に親近感を増幅してくれています。鷹のような顔と雛のような顔が無理なく同居してる感じで、こりゃあ全面的にまいっちゃいますよねぇ。
さらに、さらにですよ。黒髪ですよ、女子高生ですよ、性格明るいのに心にトラウマ抱えちゃってるんですよ。そりゃーびぜんやさん萌えちゃいますよ、めらめらと。あまりにスーパーで理想的なヒロインだってゆーのに嫌味じゃないってゆーのはこれ、凶悪犯罪ですよ。額でクロスした赤いリボンがかわいすぎですよ。
もう理性が無力化されて、ココロが状況終了。かわいくて、強くて、ちょっとだけ弱いとこがあるから全力で応援したくなって、ヒロインにシンクロしたいワタシにとっては感性ダイレクト。最強、いや最凶レベルのヒロインです。

Charactor

ヘタレ・白石光は軽く無視し、まずはみくるちゃんのパートナーとなる紋条祁雫ちゃんを紹介(といってもコミックスでは1巻の終盤からようやく登場なのですが)。うおおー、読めねえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!おまけに変換が面倒ーーーーーーーーーーーーー!と雄叫びを上げてしまうような名前ですが、もんじょう・きな、と読みます。
泣き黒子と広島弁(?)、そして貧乳がチャームポイント。そしてアクションシーンでは単刀直入とゆーかほとんど無謀な肉弾アクションで窮地を切り開いて見せる痛快さが光りますね。悪を一刀両断する剣捌きも豪快。みくるちゃんと対照的なワイルドさが印象的です。
全国のショートカット巨乳妹ファンの皆様、お待たせしました。主人公・光の妹が白石渉菜ちゃん・15歳。単刀直入なスポーツ少女で、感情をストレートに表すところがまたかわいーですね。過剰なくらいのお兄ちゃん思い+料理上手とくれば、一家に一人白石渉菜!と言いたくなってしまいます。

Guide

みくると渉菜の巨乳を前面に押し出した、少年系お色気アクション、というのがアウトラインですが、もう一方のメインであるアクションシーンもアイディア、描写ともにしっかりとしており、てきぱきとした描写で読者を引っ張るエンジンの役割を十分にこなしています。
キャラクターのバックボーンや、シチュエーションなどもしっかり考えられており、思った以上に読みごたえを感じます。多角度に楽しむことが出来る、エンターテインメント王道作品と言えますね。

2004.6