(藤崎真緒/白泉社花とゆめコミックス・全10巻)
幾見めいとたけるは、生まれが一日違うだけの双子の姉弟。
甘えん坊でどこか抜けてるめいと、しっかり者のたけるは、姉弟というよりは兄妹のようなコンビだが、周囲が呆れるほどのなかよしさんだ。
ふたりはそれぞれに、学園祭のパートナーを決める「パートナーシップシステム」で人気を集め、騒動の渦中に。そんな中、めいは自分がブラコンだということにようやく気づいて・・・
少女系・青少年系を問わず定番のシチュエーションである、きょうだいの恋愛をテーマにした作品です。
少女マンガでこの系統の作品となると、禁断ムードを前面に押し出した甘くもほろ苦いムードを漂わせた作品が多いように思うのですが、この作品はめいののほほんとしたキャラクターを前面にだし、恋愛ドラマの重さを中和して、甘くてほんの少し酸っぱいと言ったムードに仕上げられています。
弟にべったりな姉、というシチュエーションなど、少女マンガの読者にどれだけ受け入れられるのか疑問のような気もするんですが、こういうあっけらかんさは成人男性向けのコミックやゲームに通じるものが感じられて、そちらの方面を指向する男性読者には受け入れられやすいような気がします(苦笑)。
めいのキャラクターに頼りきった作品で、好みは分かれるかと思いますが、ほのぼのとしたムードにせつない恋愛要素を織り込んだカラーは独得の甘さが感じられ、割りきって楽しめる方にはかなり楽しめる作品だと思います。
2004.7